運営が脱出する話(彼等は初対面です)3 ページ5
「べいちゃん!」
そう叫ぶ金豚の腕に抱かれた女性はべいちゃんと呼ばれていた。普段の金豚からは想像出来ない程取り乱す姿は、彼女が金豚にとってどれ程までに大切な存在なのかがよく分かる光景だった。
程なくして医務担当となったコンタミとレウクラウドが金豚と彼女に駆け寄った。とは言えレウは心得が有るわけでもなく、コンタミの補佐である。到着後コンタミは直ぐに彼女の側に寄り、様態を確認し始める。
「なぁ、救ってくれるんやろ!?頼むから!」
金豚は彼女を助けたい一心で訴えかけた。
しかしそんな悲痛な声も耳を潰したレウには届いていなかった。事故に居合わせたのは彼等も同様だったからだ。ただし彼も鈍感ではない。コンタミの指示はジェスチャーで理解しているし、むしろ彼がこのように動かねばならないほど状況は切羽詰まっていたのだ。そして皮肉なことに金豚の感情も、そして彼女がもう助からないことも、レウには判っていた。
コンタミはレウは顔を見合わせた後、首を横に振った。そしてコンタミは『何もできなくてごめんなさい』と伝えると、これ以上診察することはないと判断し他所へと急ぎ足で向かっていった。レウも暫く床を見つめていたが、直ぐにその背中を追っていった。薄情かもしれないが、彼らだって助けたいのは山々である。
しかし他に彼等の助けを待つ人が大勢いるのも確かなことなのだ。金豚にもそれが判っていたが、我慢など出来る筈もなく、床に拳を打ちつけた。
────
「これが終わったら、何したい?」
「はいはい!俺!ゲームしたい!」
らっだぁは大きく手を挙げ興奮したように言った。コンタミは紙に書き、レウクラウドに見せていた。
「俺、は皆の声が聞きたいなぁ」
うつむき、小さく言った彼の切実な言葉に
「オレモ、皆ともっと話したい…」
緑色が賛同するように続いた。
「みどり!?成長したなぁー」
「きょーさんは?」
「俺?俺は、皆と過ごしたいかなぁ」
なんかの縁やし?と彼は嗤う
「「こんちゃんはどうしたいの?」」
8つの目がコンタミに注がれていた
彼は、
「いえーい!俺の勝ちぃー!」
「えー!きょーさんずるーい!」
「ラダオクンヨッワ」
「は?次ぶちぶちにするからな緑色」
「あそこでジャンプしなきゃよかったぁ〜」
「レウさんわりと良いとこいっててんけどな」
5色は笑う
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ぱすこーひー(プロフ) - 春馬さん» まかせろりー (2020年12月26日 15時) (レス) id: dbc6d79bf3 (このIDを非表示/違反報告)
春馬 - ぱすこーひーさん» 本当にありがとうございます…!お願いします…! (2020年12月26日 14時) (レス) id: 34a2005ba9 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすこーひー(プロフ) - 春馬さん» はぁい!一応もう少ししたらこの倉庫の続編が出るのでその時に出させてもらいますねー! (2020年12月26日 9時) (レス) id: dbc6d79bf3 (このIDを非表示/違反報告)
春馬 - ぱすこーひーさん» ええぇ!?こんな私のお願いを聞いてくれるなんて…!なんて優しい作者さんなんですか…!ありがとうございます!ぜひ見させていただきます!本当にありがとうございます!これからも頑張ってください! (2020年12月26日 6時) (レス) id: 34a2005ba9 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすこーひー(プロフ) - 春馬さん» ありがとうございます!わかりました!作らせていただきます! (2020年12月25日 18時) (レス) id: dbc6d79bf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱすこーひー | 作成日時:2020年10月23日 7時