検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:21,130 hit

運営が脱出する話(彼等は初対面です)3 ページ5

「べいちゃん!」
そう叫ぶ金豚の腕に抱かれた女性はべいちゃんと呼ばれていた。普段の金豚からは想像出来ない程取り乱す姿は、彼女が金豚にとってどれ程までに大切な存在なのかがよく分かる光景だった。

程なくして医務担当となったコンタミとレウクラウドが金豚と彼女に駆け寄った。とは言えレウは心得が有るわけでもなく、コンタミの補佐である。到着後コンタミは直ぐに彼女の側に寄り、様態を確認し始める。

「なぁ、救ってくれるんやろ!?頼むから!」
金豚は彼女を助けたい一心で訴えかけた。

しかしそんな悲痛な声も耳を潰したレウには届いていなかった。事故に居合わせたのは彼等も同様だったからだ。ただし彼も鈍感ではない。コンタミの指示はジェスチャーで理解しているし、むしろ彼がこのように動かねばならないほど状況は切羽詰まっていたのだ。そして皮肉なことに金豚の感情も、そして彼女がもう助からないことも、レウには判っていた。
コンタミはレウは顔を見合わせた後、首を横に振った。そしてコンタミは『何もできなくてごめんなさい』と伝えると、これ以上診察することはないと判断し他所へと急ぎ足で向かっていった。レウも暫く床を見つめていたが、直ぐにその背中を追っていった。薄情かもしれないが、彼らだって助けたいのは山々である。

しかし他に彼等の助けを待つ人が大勢いるのも確かなことなのだ。金豚にもそれが判っていたが、我慢など出来る筈もなく、床に拳を打ちつけた。

────

「これが終わったら、何したい?」

「はいはい!俺!ゲームしたい!」
らっだぁは大きく手を挙げ興奮したように言った。コンタミは紙に書き、レウクラウドに見せていた。
「俺、は皆の声が聞きたいなぁ」
うつむき、小さく言った彼の切実な言葉に
「オレモ、皆ともっと話したい…」
緑色が賛同するように続いた。
「みどり!?成長したなぁー」
「きょーさんは?」
「俺?俺は、皆と過ごしたいかなぁ」
なんかの縁やし?と彼は嗤う
「「こんちゃんはどうしたいの?」」
8つの目がコンタミに注がれていた
彼は、


「いえーい!俺の勝ちぃー!」
「えー!きょーさんずるーい!」
「ラダオクンヨッワ」
「は?次ぶちぶちにするからな緑色」
「あそこでジャンプしなきゃよかったぁ〜」
「レウさんわりと良いとこいっててんけどな」

5色は笑う

パーソナル・カラー・ワールド→←運営が脱出する話(彼等は初対面です)2



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (28 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
39人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ぱすこーひー(プロフ) - 春馬さん» まかせろりー (2020年12月26日 15時) (レス) id: dbc6d79bf3 (このIDを非表示/違反報告)
春馬 - ぱすこーひーさん» 本当にありがとうございます…!お願いします…! (2020年12月26日 14時) (レス) id: 34a2005ba9 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすこーひー(プロフ) - 春馬さん» はぁい!一応もう少ししたらこの倉庫の続編が出るのでその時に出させてもらいますねー! (2020年12月26日 9時) (レス) id: dbc6d79bf3 (このIDを非表示/違反報告)
春馬 - ぱすこーひーさん» ええぇ!?こんな私のお願いを聞いてくれるなんて…!なんて優しい作者さんなんですか…!ありがとうございます!ぜひ見させていただきます!本当にありがとうございます!これからも頑張ってください! (2020年12月26日 6時) (レス) id: 34a2005ba9 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすこーひー(プロフ) - 春馬さん» ありがとうございます!わかりました!作らせていただきます! (2020年12月25日 18時) (レス) id: dbc6d79bf3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぱすこーひー | 作成日時:2020年10月23日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。