キドアイラク#2(一部) ページ26
敵を殲滅していた。そのときだった
「うあ゛ぁ!?」
後ろでレウさんの呻き声が聞こえた。思わず足を止め、振り返る。するとそこには、少し丸まった姿勢で目からおびただしい量の血涙を流す姿があった
右手はこぼれ落ちる血を掬うように、左手は俺たちに救いを求めるように、行き場をなくしていた
そして、流れる血を受け止める右手を見たレウさんは目を見開く。理解してはいけない状況に、彼は口を開いた
まずい、来る
そう思った時にはもう遅かった
目から走る衝撃に耐えられなかった、彼の悲痛な叫び声が木霊する
れうさんは、痛む目を押さえ、空に向かって叫び続けていた
その声は、俺の耳をつんざいた
こうなっては毛玉が来るのを待つしかないのだ。俺はこの状況を打開しようと、辺りに散らばる仲間に応援を呼び掛けた
はずだった
今度は俺が呻き声をあげる番だった
側にいたはずのこんちゃんと緑色はうつむいた状態で静かに佇んでいた
いや、こんちゃんに至っては触手に腰から持ち上げられていると言った方が正しいだろうか
尾の部分から生えた8本のイカを連想させるような触手が地に根を張り、その中心でぶら下がっている
手足はだらんと力をなくし、今にも彼の口から楽しそウな、笑ヒ声がキコエそうだ
いいなぁ。
俺も、仲間二入りタイなぁ
いつの間にか俺も彼らのように狂っていたのだろうか
段々と喜びの声が込み上げてくる
れうさんのように天に顔を突き出した俺の背中には、羽が生えているように感じた
駄目だ、駄目なのに
ここで暴走してしまっては、助ける人なんていないのに
悪い、らっだぁ。こんな俺たちを許してくれ
崩れ行く意識のなかで、怒りに燃える緑色の背中が微かに見えた気がした
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ぱすこーひー(プロフ) - 春馬さん» まかせろりー (2020年12月26日 15時) (レス) id: dbc6d79bf3 (このIDを非表示/違反報告)
春馬 - ぱすこーひーさん» 本当にありがとうございます…!お願いします…! (2020年12月26日 14時) (レス) id: 34a2005ba9 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすこーひー(プロフ) - 春馬さん» はぁい!一応もう少ししたらこの倉庫の続編が出るのでその時に出させてもらいますねー! (2020年12月26日 9時) (レス) id: dbc6d79bf3 (このIDを非表示/違反報告)
春馬 - ぱすこーひーさん» ええぇ!?こんな私のお願いを聞いてくれるなんて…!なんて優しい作者さんなんですか…!ありがとうございます!ぜひ見させていただきます!本当にありがとうございます!これからも頑張ってください! (2020年12月26日 6時) (レス) id: 34a2005ba9 (このIDを非表示/違反報告)
ぱすこーひー(プロフ) - 春馬さん» ありがとうございます!わかりました!作らせていただきます! (2020年12月25日 18時) (レス) id: dbc6d79bf3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぱすこーひー | 作成日時:2020年10月23日 7時