隣のクラスのナガセクン

◎34 ページ34

(人1)side



平野がお家までお送りしますよぅ〜なんて言うから、「ええの？」と言おうと思い私がクルッと振り向くと微笑む平野くん。




それと共に黄色い歓声が響くグラウンド。



…やっぱりこの声は苦手。




早くここから抜け出したいなんて思いが伝わったのか(人1)ちゃん、走りますよっと私の手を取り走り出す平野くん。




急激に遠ざかるグラウンド。





平野くんは私の何倍も速い




そのせいかすぐに疲れる体力の無い私。




強引に平野くんを引き止めると、緩まるスピード




あ、(人1)ちゃん！ちょっとこの公園寄りましょ？と私の返事も聞かずに歩き続ける平野くん




…そう言えばこの公園昔はよく来てたっけ





昔から大好きなブランコ





よく泥まみれになってた砂場




1度落ちちゃったことのあるジャングルジム





何も変わっていなくて、何処ともない安心感がある




わ〜ブランコありますよっ、(人1)ちゃん！！




と平野くんははしゃぎながら真っ先にブランコへ座り、思いっきり地面を蹴り始める




私も平野くんの隣のブランコに座り、前後に少し揺れ、空を見上げる。もう日も暮れかけてすっかりオレンジ色の空だった。




平野くんは全力で空を漕ぎながら、あ〜めっちゃ好き〜って大声で叫び出す




「何が？」と聞くと勢いのついているブランコを飛び降り、私の方へ向く顔。




さっきまでの笑顔とは打って変わって真剣な眼差し。




平野「…僕、出会った時から(人1)ちゃんに一目惚れしてました





まだ出逢って月日は短いですけど





もし良かったら、付き合ってください」




…まさかの告白だった。




返事を待つかのようにジィッと見つめられる。





止まったように過ぎる時





迷い、悩みながらも出した答えは







「……ごめんなさい」





確かにね、平野くんと付き合えたらすっごく幸せだと思う





でもね、平野くんみたいに素直でキラキラした人は私に似合わないよ




眩しすぎるから

◎35→←◎33

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す