８０：タバコ味 ページ40
抱きしめられたまま頭をゆっくり優しく撫でられてたけど…
そっと身体を離されてチュッと軽いキスをして…
至近距離で目が合うと『フッ』て笑われて、ちょっと長めのキス…。
唇を離して額をコツンと合わせると二宮和也の茶色い目しか見えなくて。
「ふふふ。」
「うん？」
「タバコ味。」
ちょっと苦い…。
「Aちゃんは何味がお好み？」
鼻先を擦り合わせて『教えて？』って茶色い目が言ってて。
「やっぱりイチゴ？レモン？…あ！フラペチーノ！」
「それは勘弁だ。」
「え〜…甘いのがいい。」
「子供のファーストキスじゃないんだから。…大人のキス…しよっか？苦いけど極上に甘〜いキス。」
…なんでこう…この人って…
さっきで優しい慈しむ様な目だったのに、フッとスイッチが入った様に…艶っぽい目で私を誘惑する。
「A？」
「あ、あの『逃げられねぇぞ？』」
違う…そうじゃなくて。
「ん？」
「シャワー。」
「あぁ…んなのいらね。」
「イヤ！」
「せっかくの勝負下着脱いじゃうの？脱がせる楽しみ取り上げないでよ。」
「初めては念入りにしたの。」
ムダ毛チェックとか…
匂いとか…
肌もピカピカスベスベで…
そういうのが女心でしょ？
その為に必要な物を家から持ってきた。
「いや、初めてじゃねぇし…。」
真顔で言わないでよ！
二宮和也の腕をポンポン叩いて。
「もぉ！初めなの！」
「はいはい。姫の言う通りにします。」
頬にキスをして私を離す。
ソファから立ち上がり、持って来たキャリーバックを引っ張ってきて、ボディソープやボディミルクを出してテーブルの上に並べる。
「お前…なんか実験でもすんのか？」
「ふふふ…しないよ。」
テーブルに並んでるボトルのひとつを手に取り、キャップを開けて匂いを嗅いでる。
「いい匂いでしょ？」
「…あぁ…けど、これつけちゃダメ。」
「ん？何で？」
「俺、お前そのものの匂いが好きなの。」
「…二宮和也って…やっぱ変態？」
『そのものの匂い』って…。
「おい。お前…彼氏に向かって『変態』って…。」
「だって…。」
「それと名前…。いい加減にフルネームはやめようね？Aちゃん？」
にっこり胡散臭い笑顔。
「…うん。頑張る。」
「はい、頑張って？」
頬にキスをされて、そのまま耳元で…
「早くシャワー行っといで？俺、結構限界だよ？」
って低く掠れた声で囁かれた…。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2014年2月20日 6時
