６５：純愛 ページ25
もぉ〜…何で言うかな？
二宮和也は明らかに『まずった』って顔で。
翔「こないだっからさ？多々疑問だったんだよね？…ほら、俺の名前知ってたり…？」
私が櫻井さんの名前を思わず言って…
でも、二宮和也が話題をスッと変えてフォローしてくれて助かったんだっけ。
遥「こんな美人さん…うちの会社にいたっけ？」
考える仕草をする奥さん。
可愛い人はやっぱり何をしても可愛いのね…。
翔「確かに…。こんだけ美人だったら噂ってか野郎共の話題ネタになってそうだけど…。」
「経理課…植田Aさん。」
諦めた様に二宮和也が言って。
私が何で隠してたのかとか、会社とは別人の様な格好をしてるのかを詳しく話してくれて。
翔「え？じゃぁ…社内で知り合った？」
「違います。お宅らの結婚式の帰りに拾ったんです。けど、その時は行きずりって感じで…。同じ会社だってのは…大分後に知りました。」
雅「え？んじゃニノは名前も誰かも知らないコに片思いしてたって事？！」
「ん…まぁそうですね…。その時は自覚なかったですけど…。」
照れてるのか、小鼻をポリッとして俯いた。
雅「もう会えないかもしれなかったのに？」
「はい。」
雅「うひゃ〜。にのみぃがそんな純愛するなんて想像できないねぇ。」
翔「だな。そりゃ必死に口説くわな。」
「必死も必死。プライド捨ててかなり頑張りました。」
うん…必死に私に気持ち伝えてくれて…
どれだけ自分が本気なのかって伝えてくれて…
一瞬たりとも女の影をちらつかせない。
一緒にいる時は携帯は常に私にも見える所に置いて、『見てもいいよ』って言われた事もあった。
さすがに見なかったけど…。
遥「ふふふ。付き合い始めたのにまだフルネーム呼びなんですね？」
「そうなのよ。このコどんだけ言ってもそれを変えない。」
呆れた様に横目で私をジトッと見てる。
雅「ねね！『にのみぃ』って呼びなよ！女の子呼ぶと可愛いと思うよ？」
ニカッて笑って豪快にビールを呑み干して。
「『和也くん』がいいんですけどねぇ。」
「ねぇ？ずっと思ってたんだけど『くん』つける必要ってある？」
「ある。」
きっぱり言った二宮和也。
「お前さ？一回？二回…か？『和也くん』って言ったじゃん？」
ん〜…そうだったっけ？
「あれが可愛いかったのと…呼び捨てはヤってる時だけでいいかなって。」
「バカ！」
もぉ！信じらんない！
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作者名：しおなな
| 作成日時：2014年2月20日 6時
