６４：お祝い 〜N〜 ページ24
翔「んで、また俺んちなんだよ！」
イチャイチャデーを邪魔された翔さんは不機嫌にドアを開けた途端そう言った。
雅「翔ちゃんもお祝いしたいって思って。」
翔「何？何のお祝い？」
「え？相葉さん？言ってなかった？」
雅「うん！びっくりさせた方が楽しいでしょ？」
いや…そうかもしれないけど…。
理由もわからず『今から行くからビール用意しといて』だけ言われたら…そりゃ不機嫌だわ。
翔さんちはもう勝手知ったるナントカで、相葉さんも俺も自分んちの様に上がってく。
「A。」
けど、Aはそうもいかず、俺が呼ぶまで遠慮がちにドアの外で。
翔「え？何？片思いのお相手ちゃんもいんの？」
ドアの死角になって見えなかったのか、リビングに行きかけた翔さんが立ち止まり振り返った。
雅「翔ちゃ〜ん！もうね…彼女ちゃん！」
リビングから大声で自慢気に言う相葉さん。
てか…あんたが自慢気っておかしくない？
翔「え？！マジ？！マジで？！」
余計に入りづらくなったのか、中々入って来ないAをドアの外まで迎えに行って手を取りドアの中に入れる。
「靴脱いで？」
素直に従ったAは靴を揃えて端に寄せて手を引いたままリビングに移動。
翔「なぁ！ニノ？！マジで？」
「はい。俺、誰かさんと違ってヘタレじゃないもんで１年もいらなかったみたいです。」
翔「くっそ〜。Aちゃん…１年以上待たせといてくれればよかったのに…。」
「俺はちゃんと言う事も言って、常に気持ちは伝えてたんで。」
あんたは１年見てるだけ…
そこが違うんですよ。
翔「どんな口説き文句？」
雅「あ！ニノ！俺もそれ知りたい！」
「言うわけないでしょ？」
Aを隣に座る様に促して。
遥 「ふふふ。二宮さんがどんな事言ってたのか気になるなぁ。」
三人の興味津々の顔が俺じゃなくて、Aに向けられて。
「え？！私ですか？」
助けを求めるAの目。
「あんまね？うちのコいじめないで頂戴。」
運転手な俺はビールは呑めないからウーロン茶。
酒が弱いAも強制的にウーロン茶で乾杯。
雅「Aちゃんも呑まない？」
不思議そうな相葉氏。
「えぇ。明日会社だし…弱いんでね。まぁ、同んなじ所に出勤するわけだから泊まらせても問題ないけど…。」
「二宮和也！それ『え？Aちゃんてうちの会社？』」
あ…まずった。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2014年2月20日 6時
