６３：新しい友達 ページ23
「はい。Aちゃんは特別にココ。」
手を引かれベンチに座らせられる。
どうやら今日は野球の試合だったらしく…
朝早く起こされて…。
『A？Aごめん、起きて？』
身体を揺すられて寝起きでボーッとしてる私にチュッとキスをして『はよ』って言ってにっこり笑った。
結局、昨日二宮和也はキス以上する事なく手を繋いで眠った。
起きてからにうちに寄って、ゆっくりメイクをする時間もなく…
急かされまくって…
今、ベンチに座った。
「にのみぃ〜！ね！ねね！ついに？！ついにGET？！いや〜よかった！やったね！今日お祝い！負けても祝杯！もちろんニノの奢りで！」
朝早く…
しかもこんな蒸し暑い中でも変わらないテンションで二宮和也に抱きついてる。
「うっさい！あんた朝からうっさい！」
「だって！ニノについに特定の彼女ができたなんて！お赤飯だよ！鯛の丸焼きだよ！そうだ！リーダーに釣ってきてもらおう！」
「おっさんは、赤ん坊にべったりでしょうよ。」
相葉さんを引き剥がして私の隣に座った二宮和也は試合もしてないのに疲れた顔で。
「Aちゃん！ニノってこんなんでわかりずらかったりするだろうけど…本当の所は優しいヤツだからよろしくお願いします！」
ニカッて笑って私に右手を差し出した。
少し躊躇したけど、その手を取ると大袈裟にブンブン振られる腕。
「あは！これで俺とAちゃんもお友達〜。」
ニッコニコの笑顔。
ホント、この人の笑顔は太陽？向日葵？
「A？よかったじゃん？減った分の友達増えたぞ？」
相葉さんに腕を振られながら隣を見ると、優しく微笑んでいて。
もしかしたら…そのつもりで…？
この人の優しさは表にはけっして出さない、こういう所。
「…うん。」
頷く私の頭を乱暴に撫でる。
「ねね！LINEしてもい？ID教えてよ！」
「そこまで許してませんが？」
「えぇ〜！ケチ！ヤキモチ妬き！」
「何とでも言ってください。ほら、ウォーミングアップ！」
靴紐を結び直して相葉さんにグローブを投げつけてスタスタとグラウンドに出て行った。
「後でコッソリ教えてね？」
小さな声でボソっと言って、ニカッて笑うと二宮和也の後を追って走って行った。
二人が無邪気にじゃれながらキャッチボールをする姿をベンチに座りボーッと見てた。
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作者名：しおなな
| 作成日時：2014年2月20日 6時
