ビターでスイーツな恋愛論～Part.２～ (ページ3)

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４３：LINE ページ3

あれから毎日LINEが飛んできて、毎日電話もかかってきて…
結局、次の週も二宮和也んちで会った。

『やっと１番取れたし…帰る。』

『ん…送る。』

『いいよ。まだ時間早いし…。』

『…わかんねぇかな？少しでも一緒にいたいって…。』

そう言われて二宮和也の運転する車に半ば無理矢理乗せられた。

車ではあまり話す事もなく…
二宮和也が好きであろうアーティストの曲が流れてて…。

その曲に被さる様に鳴った携帯の画面にはLINEの通知…

千里…。

ホントにもうほっといて欲しいのに…。

「…またな…？」

二宮和也は部屋の前まで送ってくれて、私の手を名残惜しそうに離すと寂しげに目を細めた。

「…うん。」

「早く入ってくんねぇと帰れないんだけど？お前と違ってか弱いから風邪ひく。」

そんな悪態をつきながらもやっぱり寂しげに笑って、私を中に入る様に促した。

ソファに座りバックの中から携帯を出してLINEを確認すると…

『エコー写真見せたいし会おうよ。』

それには『ごめん。忙しい。』だけ返信をして携帯をテーブルの上に投げた。

自分の意志とは無関係に涙が溢れて、ポタポタと太腿の上に落ちる。

私が何したっていうの？
千里に私…何かした？

もう…お願いだからほっといてよ…。

徹との思い出の品は全部処分したのに…
テレビの横にあった写真立て…
ベッドにあった徹の枕…
お揃いのマグカップ…

置いてあった場所を視線で辿る。

涙で当然ぼやけて見えないけど、頭の中は鮮明に覚えてる。

お風呂が沸いた音がしても、その場から立ち上がる事もできずに膝を抱えて、ただただ泣いた。

『徹くんとの赤ちゃんできて…。』

あの日から、私はどれだけ泣いた？
どれだけ泣いても涙は枯れなくて、翌朝目が腫れるだけ…。

会社用の私にはありがたかったけど。
休みの日も家に篭ってるだけで、先週が外出したの久しぶりだった。

一瞬でも徹と千里を忘れたし、あの日から初めて心の底から笑えた気がした。

さっきからしつこい程鳴ってる携帯。

どうせ千里だろうと無視してたけどあまりにしつこくて…。

「……ぃ…もしも『どうした？』」

画面を見ずに出たら、思いもよらなかった人で。

「…何が？(笑)そっちこそどうしたの？」

ー…いや…何となく…？なんだけど…。

「ふふふ。何それ。」

ーんでも、いいや。用済んだ。

「そ？じゃぁね？」

返事も聞かずに電話を切った。