５１：女の子の扱い ページ11
ー明日さ？土曜だし、多少は遅くなってもいいよな？
『はっ？！変な事《しねぇよ》』
電話の向こうで『クスクス』笑い声が聞こえて。
ー昼間は野球あるし、夕方車で迎え行くから。
結局、場所は教えてもらえず…
『おやすみ』って一日の終わりに必ず入るLINEの通知音が鳴った…。
・・・マンションの前に横付けされた…
もう既に見慣れた黒いミニバン。
「おっ！今日もいいじゃん？可愛い可愛い。」
二宮和也は女慣れしてるだけあって、毎回こうやって褒めてくれる。
社交辞令ってわかってても、女としてはやっぱり褒められると嬉しいし、次ももっとおしゃれ頑張ろって思う。
「ほれ、早くシートベルトして。」
「うん。」
シートベルトをするのにモタついていると、
「なぁにやってんだよ。」
右側から『クスクス』笑う声が聞こえて、自分のシートベルトを外したかと思ったら…
身を乗り出して私のシートベルトを引っ張ってカチッとはめてくれて。
その一連の動作があまりに自然で慣れていて…
キュンとときめいたと同時に、『あぁ…やっぱり慣れてる』なんてショックを受けてる自分…。
この人が女の子の扱いに慣れてるなんて当たり前じゃない？
今更だ…。
そんな事にショックを受けてる自分にも、ショック…。
『好きなんじゃん？』
って亜美の声…。
「A？どうした？」
覗き込まれた二宮和也の心配そうな顔。
「ううん。何でもない。」
「体調悪いのか？なら『大丈夫よ？』」
精一杯の笑顔を二宮和也に向けて。
納得してない様だったけど、私の頭ポンポンッてすると車発進させた。
「ねぇ？」
「うん？」
「どこ行くの？」
「とりあえず飯食わね？」
「ふふふ…うん。」
車をコインパーキングに停めて連れて来られたのは、創作イタリアンのオシャレなお店。
「今日はどうしたの？こんなオシャレなお店なんて…。」
そう言えば着てる服も、カジュアルではあるけど、中のシャツはいつもとは違いボタンシャツ。
「たまにはね…大人デートってやつ？」
悪戯ッコみたいに笑ってメニューに手を伸ばして、自分は見ずに私に差し出した。
「お前、何食いたい？」
徹とはこういう店ばかりだった。
いや…もっと高級感漂ってたな…。
その店に行く為の服代なんて一体いくら使ったんだろう？
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作者名：しおなな
| 作成日時：2014年2月20日 6時
