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「…お邪魔します」
涼介くんがドアを開けて待ってくれたので、先に玄関に入らせてもらう。
…相変わらず、男の子の部屋と思えないほどオシャレ。
彼のセンスの良さに改めて敬服しながら、パンプスを脱ごうとした、その時だった。
「ほんと、いつ来てもきれいにして……………る、……!」
後ろから伸びてきたたくましい腕にぎゅうっと抱きしめられ、身動きが取れなくなった。
「…………りょーすけ、くん?」
「………あのさ」
つぶやくような低い声が聞こえてきたかと思うと、
ぐいっと向かい合わせにされた。
かち合う視線。
涼介くんは強烈な色気を放っていて、一瞬で吸い込まれてしまいそうな瞳で、
「もー…俺、色々限界」
そう言うと、唇を重ねてきた。
「…っんう…っ!」
かっと一気に体温が上昇し、思考が固まる私。
涼介くんの舌が隙間から入り込んで、私の口内を搔きまわす。
私はたまらなくなって、革ジャンを着た腕にしがみついた。
それでも止まらないキス。
回らない頭で、私は違和感を感じ取った。
…なんかあったの、かな…?
「…はぁ……っ」
何度も繰り返される口付けで息が続かず、苦しさに涙が滲んできた頃、ようやく涼介くんが離れた。
息を整えつつ、目の前の人を見つめると、
「ごめん……今日俺、よゆーないわ」
そう笑って、私をひょいっと抱え上げた。
「え、ちょっ…!」
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作者名:みあ | 作成日時:2018年7月30日 9時