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side 涼介
…でも…。
好きな子が目の前にいるんだから。
動き出した電車の動きに合わせて揺れる、華奢な肩とか、
ゆるふわっていうの?優しい亜麻色の髪の毛とか…。
…触りてー……
うう、まじ拷問か、コレ……
「…はぁ…」
Aにも周りにも聞こえないように、小さく息を吐いて、自分の気持ちを落ち着かせる。
…だめだ、ここではさすがにダメだ。
すると、いい具合にスマホが震えた。
A夕飯、なににしようか?何食べたい?
そんなメッセージ見て、まず浮かんだのは。
“…Aがいい。”っていう回答 笑
中学生か俺。
さすがにそうとは言えず、思考を夕食に戻した。
side A
ようやく見慣れてきた、20階建の高層マンション。
いつもはあっという間に近づいてきてふもとにたどり着いてしまうけど、今日は徐々に近づいてくる。
日が落ちてあたりが暗いので、各部屋の明かりが一際輝いている。
そのせいか、いつも以上に豪華なマンションに見えた。
そして、私の少し前を歩く、真っ黒な姿の頼もしい背中の男の人。
…私って本当に信じられないくらい、幸せだなぁ。
涼介くんはやがて、マンションのエントランスの自動ドアに入っていなくなった。
…電車で夕食はどうしようかって話をしたら、涼介くんがケータリングがいいというので、電車を降りたあと、直で涼介くんのマンションまで来た。
とはいえ、さすがに二人で入って行くのは危険すぎるので、また間隔をあけて歩いて来た。
いつもは車だから、正面エントランスから入るのは初めて。
緊張するな〜。
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作者名:みあ | 作成日時:2018年7月30日 9時