検索窓
今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:1,420 hit

1. ページ1

.


それは、都心の大通りから何本か入った裏路地にある。


言うなれば住宅地で、たまにこじんまりした事務所が点在しているような地域。


その中でひょろっと頭一つ出ている4階建のマンション。

その傍の、日中でもほとんど影になっている、6台くらいしか停まれないパーキング。



そこが、私と彼のいつもの待ち合わせ場所だった。


…えと、今日は16時だよね。


彼の仕事終わりの時間はいつも違うから、彼からのLINEを遡って確認する。


私はといえば、今日は休みで買い物帰り。


とはいえ、買いたかった服はピンとくるものがなくて、アクセサリーを買っただけ。


彼がオシャレさんだと、色々気を使うんだよね。


そう思いながら、待ち合わせ場所に向かう。


家はたくさんあるのに、住民らしき人を見かけたことがないこの道。


そんな閑静な住宅街に入り、いつもの駐車場を見やる。


いつもなら、そこにはレトロなクラシックカーが停まってるんだけど…



いない?



…と思ったら、

キレイ目な黒のスウェード地のライダースに黒のパンツ、

黒のエンジニアブーツの、


…見慣れた背格好の人が、スマホを手に、電柱に寄りかかって立っていた。


首にはマフラーぐるぐる巻きのその人が、私に気づいて顔を上げる。


…視線が合うと彼はニコッと笑い、私は急に焦りを感じて小走りになった。



その人は、きれいな顔に不思議そうな表情を浮かべて、私を見ている。



周りに人はいないのだけど、用心して小声で話しかけた。



「…ちょ、車は?!」


いつもならここから車で大通りに出て、プライベートがしっかり確立できそうなお店で夕食を食べに行くのだ。


「あー、言ってなかったっけ?壊れた」


あっさりそう言う、某アイドルグループセンター。


「へっ?…本当に?ここまでどうやって来たの?」


「雄也とさっきまで仕事一緒だったから、近くで降ろしてもらった」


「そーなんだ…てか、素顔見えてるよ?」


「…そお?でもこれ、ぐるぐる巻きだし?けっこうバレないもんらしいから、いっかなって」


マフラーを指でつまんで見せ、キョトンとしてる彼に、私はだめだめ、と手を振った。


「だってここからどうやって移動するわけ?」


タクシーは長時間乗って顔バレ危険だからダメだし、、、そうなると一つしかない。


「…電車。…しかないじゃん?」


再びそう聞き返す彼(しつこいが某アイドルグループセンター)。


…本気で言ってます…?

2.→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
6人がお気に入り
設定タグ:山田涼介 , 恋愛 , ヤキモチ   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:みあ | 作成日時:2018年7月30日 9時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。