限界短編集

きらい　yk　▲ ページ33

貴女「焼きパンきらい」
また出た。これは僕の彼女の口癖。
かわいいかわいい僕の彼女の少し意地悪な部分。
さすがの僕も悲しくなっちゃうな。
yk「前までは好きって言ってくれたのに…」
そうぼそっと呟くと彼女は顔をしかめた。
ああ、かわいい。
顔が整っているからどんな表情でも映える。
貴女「前までは…ね、今はきらい」
そう呟く彼女の瞳は僕のことなんて見ていない。下を向くばかりだ。
そんな彼女の顔をつかんでこちらを無理矢理見させる。
少し戸惑ったような彼女の顔にキスを落とす。
一度限りではない、何度も何度も。
貴女「…っやめて」
そう言って彼女は僕のことを突き飛ばそうとした。
けど、彼女の腕は動かない。
彼女を彩る僕色のリボンが、絡み付いているから。
貴女「焼きパン、お願い…離して…」
彼女の涙を流す姿に僕の口許は緩む。
かわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいいかわいい
yk「いやだよ、だって離したらAちゃんどこかに言っちゃうでしょ？そんなの駄目」
また彼女にキスをする。
彼女が小刻みに震えているのがわかる、小動物みたいでとてもかわいい。
貴女「やだっ！そんなことする焼きパンきらい！」
ねえ、なんでそんなこと言うの？
yk「僕はAちゃんのこと好きだよ」
そのリボンで彩られた状態でずーっとずーっとそばにいてね？

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