微糖のコーヒー【窪谷須亜蓮】

7本目 ページ7

「…で、このitが示しているのがthat以降で…」

英語の時間

窪谷須が退屈そうに足をゆらゆらさせている

無意識だろうか

頬杖までついて

集中しなさいっての…



その大きな背中で黒板の下のほうの板書は、もう全く見えない。

…本当に大きな背中だな…

この背中の後ろなら内職しててもばれなさそう

彼の背中をみていると、襟から伸びる服のシワに目が行った。

つい気になる。
男性の座ったときの背中のシワの伸び方ってこんな感じなんだ。

それをついクロッキーしたくなって

こっそりクロッキー帳を机から出し、描き写す。

作品を作るときの良い参考になるな…。

よく見たら窪谷須って体格がすごくいい。

肉付きもいいし、石膏像みたいだ。

今度モデルになってくれないかな

夢中になってクロッキーをしていると、先生がプリントを配り始めたので

慌てて教科書の下にクロッキーを隠した

彼の背中をこっそりクロッキーしていたなんて

後ろを向いたときに見られたらなんか恥ずかしかったから

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