微糖のコーヒー【窪谷須亜蓮】

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保健室に行くと、先生が居ない代わりに海藤と斉木がいた。

「うわ、どうしたの？」

「ぁ、A…！その…」

何だか言いにくそう。
見る限り足首を痛めたようだ。
斉木が一緒ということは、二人三脚の練習で転んで捻挫、といったところか…

「斉木はなんともないの？」

こくんと首を縦にふる。
そうか、二人とも負傷するよりは良かった。

「本番、出られそう？」

「ふん、これくらい大したことはない。闇市で手に入れた回復薬があるからな…」

きっと闇市で手に入れた回復薬とやらはないだろうから心配だな

「それより先生は今いないぜ。
さっき電話で呼ばれてどっか行っちまった。
すぐ戻ってくると思うが、Aもどっか怪我したのか？」

「いや、怪我ではないんだけど」

先生いないのか。
まぁナプキンのありかは知っているから借りていきたいんだけど、二人の前じゃ取りにくいな…

まだしばらくここから離れそうにないし、どうしよ

「なら何の用…ん？どうした、斉木」

『水筒を校庭の隅に置きっぱなしだろう。手当てが済んだのならとっとと戻りたい。』

「あぁ、何だ喉が渇いたのか？そうだな、一旦戻るか。」

あ、出ていく流れに。
斉木、私の心でも読んだのかというほどナイスなタイミングで退室を促してくれたな。

「じゃあな、俺たちは行くぜ」

「はーい、お大事に」

二人が退室したのを見計らってナプキンをひとつ頂戴する。

そういえば、斉木って普通だしどちらかというと根暗っぽいのに、
妙に顔が広くて人気者なところがある。

いつも周りに人がいるのは、なにがしか寄せ付ける魅力があるんだろうな。

よくわかんないけど

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