38本目 ページ38
今朝、どんより模様であった空は、午後になるにつれ日差しを覗かせはじめた。
PK学園では体育祭が近づくと、一時的に放課後の部活動がなくなり、
開放された校庭や体育館で種目の練習を行うことができる。
私たち、リレーのメンバーは校庭の隅の方へ集められた。
「さっそくなんだけど、練習の前にリレーの順番を決めたいんだ。何か案はあるかい？」
私は小さく手をあげる。
「はい、トップバッターは照橋さんがいいと思います。」
「わ、私がトップバッター？ちゃんとできるかしら…でもどうして？」
「スタートダッシュって大事だと思うのね。心美ちゃんが走っていたら皆心美ちゃんの走る姿を見たくて後ろについちゃうとおもうの。」
「「確かに…」」
「まぁちょっと卑怯な気もするけど…」
「ええ、私なんか誰もみないよ…！でも、頼んでくれるなら私頑張るね。」
「よし、トップバッターは照橋さんで決まりだね」
灰炉が木の棒で地面にガリガリと名前を書く。
「それで、次は燃堂がいいとおもう。」
「あん？おれっちかぁ？へへやったぜ、照橋さんのバトン受けとれんのかぁ」
「既にトップでバトンを繋ぐことを想定したとして…ここで燃堂にぐっと差をつけてもらうの。」
「なるほど、じゃあこの次に夢原さんを入れるのはどうだい？差がついていればプレッシャーも薄れると思うし。」
「いいね。この辺に女子をいれよう。それで、知予ちゃんの次に命ちゃん」
「よっしゃ、任しといて！ちよぴ、バトン渡しの練習しョー！」
スムーズに順番が決まっていく。
この調子でうめていこう。
「この次に灰炉を入れるのはどうかな。万が一追いつかれても、埋め合わせができると思う。」
「僕は構わないよ！…となると、次は才虎くんか窪谷須くんか
…僕は、Aさんには最後に走ってほしいな。
君は元陸上部だし、アンカーは慣れている人のほうがいいと思うんだ。」
「なら、熱血貧乏の次に中分け貧乏、そして俺様、最後にAだ。」
今まで大人しく聞いていた才虎が突然口を挟む。
「おい、勝手に決めんなよな。…まぁそこはアンカーのやりやすいほうに決めてくれや。」
また窪谷須と才虎さんの喧嘩がはじまるかと思いきや、今日はなんだかさっぱりしている。
「そうだな…じゃあ、窪谷須、才虎さん、私で。」
正直、二人の順番はどちらでもあまりリレーに影響はない。
それでも、私があえてその順番で決めたのには理由がある。
その理由は…当日になれば分かる。
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doku(プロフ) - uhoさん» あっあっ、uhoさんありがとうございます…なんだかお恥ずかしい(>_<)しばしの現実逃避、お付き合いください(;_;) (2018年11月25日 13時) (
レス) id: 4071e07d98 (このIDを非表示/違反報告)
uho(プロフ) - コメント失礼致します…！！タイミングよく現れる窪谷須がかっこよすぎます…！私も以前から密かに拝見させて頂いてました！控えめに言ってめちゃくちゃ好きです…。更新楽しみにしております！ (2018年11月25日 11時) (レス) id: d981027b97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：doku | 作成日時：2018年11月12日 17時
