28本目 ページ28
私に絵を教えてくれたのは彼だった。
元彼というやつか。仮に彼をAくんとしようか。
Aくんとは中学２年のときから付き合っていた。
学校で一番有名なカップルだったと思う。
陸上部の私と、美術部のAくん。
先に告白してきたのはAくんだった。
彼のひたむきに絵を描く姿が好きだった。
私も彼に絵を教えてもらったりもした。
交際は順調に進み中学卒業後
彼は油絵を専攻に、市内の美術系の高校に入学。
私はPK学園へ入学し、交際を続けながらも各々日々を過ごした。
「お前は立体が得意かもな」
何て言われたことがきっかけで、高校一年の夏に初めて彫刻を彫った。
それが案外楽しくて、彫刻を掘るのが好きになった。
「一緒に美術大学を目指そう」なんて言われて
言われるがままにデッサンの練習をして
お互いにモデルになって、描いて、描かれて、作って
「一回さ、脱いだの描きたい。」
そう言われたのは高校２年の夏
蒸し暑い日だった。
「恥ずかしいよ」
初めは戸惑った。もちろん。
「じゃあ俺も脱いだら恥ずかしくないか？」
そう言われて
私は彼のありのままの姿を描かされた。
私もまた彼のために脱いだ。
彼は私のありのままを描いた。
何度も何度も何度も繰り返した
彼の姿は私の心と
この紙切れの上に深く刻まれた
刻まれた上で目の前からいなくなってしまった
「お前のことデッサン人形みたいにしか見ていない自分がいる」
ごめん、と
２年の冬に別れを告げられた
恋の熱が燃える理由のひとつに
相手のことをすべて知りたいという欲求からくるものがある
相手のことを知りたくて知りたくて追及して
だからこそ、知り尽くしたと感じたとき、その熱はふと、冷めるのだ
私は彼にすべてをさらけ出しすぎたのだと思う。
彼は感じてしまったのだろう
もう、私の全部を知った。
呆然として引き留めることができなかった
けれど３年間も一緒にいた人が
大好きだった彼が
突然いなくなったのはかなり堪えた。
眠れない夜が続いて
私がコーヒーを飲むようになったきっかけはそれだった。
好きでもないコーヒーを飲んで昼間の眠気をしのいだ
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doku(プロフ) - uhoさん» あっあっ、uhoさんありがとうございます…なんだかお恥ずかしい(>_<)しばしの現実逃避、お付き合いください(;_;) (2018年11月25日 13時) (
レス) id: 4071e07d98 (このIDを非表示/違反報告)
uho(プロフ) - コメント失礼致します…！！タイミングよく現れる窪谷須がかっこよすぎます…！私も以前から密かに拝見させて頂いてました！控えめに言ってめちゃくちゃ好きです…。更新楽しみにしております！ (2018年11月25日 11時) (レス) id: d981027b97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：doku | 作成日時：2018年11月12日 17時
