17本目 ページ17
「何で嘘ついたの？」
あれからクラスで気まずい空気の中１日を過ごした
窪谷須も海藤もなんだかよそよそしいし
女子たちはざわついてるし
金で買われたなんて噂も流れて
才虎くんは『俺の女だ』なんて言ったものだから
１日中彼氏面して私を王子様みたいにエスコートしたりなんかしてくれて
"恋人ごっこ"をしていたわけだけど
なんか疲れてない？
ようやくゆっくり離すことができたのは
放課後の美術室。
今日はデッサンどころではない。
玉座に座る彼は疲弊しているように見える。
彼は私の質問に答えずぶっきらぼうに黙り混んだ。
「ごめん。そもそも私のせいなんだよね…やっぱ明日、燃堂に本当のこと言ってクラスの誤解解いて貰う…
私といたら才虎さんの評価下がっちゃうし」
「腐れ貧乏共のクソみたいな鳴き声が癪に触った」
私の言葉に被せるように早口でそう言った。
「え？」
彼は同じ言葉を二度は言わなかった。
「いいからとっととそれを完成させろ」
「……うん…」
彼のデッサンの続きを始める
あの男子たちの言葉を才虎さんも聞いていたのだろうか
それが癪に触って
守ってくれたのか、私を
優しい人だな
それと同時に、申し訳ないのだ
*
「貴様のそれが完成するまでこの茶番に付き合ってやる」
今日のデッサンを終え、帰る仕度をしながら才虎さんは言った。
「駄目だよ、明日誤解をといてもらう」
「はぁ？貴様、俺様が誰のために自分の評価まで落として守ってやったと思ってるんだ」
「だからこそだよ、長引かせると余計拗れちゃうし
才虎くんのことが好きな女の子がいたら可哀想だ」
私は才虎くんに深く頭を下げ
「巻き込んでごめんなさい。
守ってくれてありがとうございます。」
彼との関係はここまでだ
知り合い以上、友達未満？
友達にはなりたかったな
まだなれるかな
才虎芽斗吏は無糖のコーヒーみたいだって思った。
苦すぎて、難しい味。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 45人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
doku(プロフ) - uhoさん» あっあっ、uhoさんありがとうございます…なんだかお恥ずかしい(>_<)しばしの現実逃避、お付き合いください(;_;) (2018年11月25日 13時) (
レス) id: 4071e07d98 (このIDを非表示/違反報告)
uho(プロフ) - コメント失礼致します…！！タイミングよく現れる窪谷須がかっこよすぎます…！私も以前から密かに拝見させて頂いてました！控えめに言ってめちゃくちゃ好きです…。更新楽しみにしております！ (2018年11月25日 11時) (レス) id: d981027b97 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：doku | 作成日時：2018年11月12日 17時
