Happy Valentine From.Kota ページ45
「これ宏太が作ったの?」
ソファーに座るAの隣に腰掛けてローテーブルにコトリと置いた甘い香りが立ち昇るマグカップ。
それを見た彼女からは驚きの声。
「そうそう。
今年のバレンタインは俺からもAに何かしたくて。
あっ知ってる? 海外では……「いただきまーす。」」
「ちょっ、、おいっ、、」
俺の雑学はAに遮られてスタート出来ず。
マグカップに口をつける彼女を緊張しながら見守る。
昔は“A姉ちゃん”て呼んでチョコせがんでたんだよな。
思い出すのはAを好きになる前のこと。
お姉ちゃんみたいだった幼なじみのA。
弟のように俺を可愛がってくれて、毎年当たり前のように手作りのお菓子を作ってくれていた。
そしてこの仕事を始めてからもAからの毎年のバレンタインは待ち遠しいイベントに変わりはなかった。
それは、関係性が恋人へと変化した今でも続いていて、今年だって作ってくれたフォンダンショコラを今さっき食べたばっかり。
だけど今年はいつもとちょっと違うバレンタインに内心ドキドキ。
だって初めてAに手作りの物を食べてもらうんだから。
“簡単だから薮でも作れるよ”
なんてメッセージと共に光が送ってくれたのは、牛乳とチョコを電子レンジで溶かしたチョコレートドリンクのレシピ。
簡単て言われたのに実際作ってみたら、牛乳を注ぐ量が多すぎてチョコを入れたらマグカップから溢れそうだし、板チョコも綺麗に割れなくてキッチンにポロポロと落ちてしまった。
それでもなんとかマグカップをレンジから取り出し、最後にマシュマロを浮かべ、Aに渡せば「甘くて美味しい」という言葉と共に彼女から笑みが溢れてそれだけで作ってよかったて思うんだ。
「ふふっ、嬉しいな。
宏太の顔思い浮かべながら作ったお菓子を目の前で食べてもらう時間も好きだけど、作ってもらう側になるとまた違った嬉しさがあるね。」
手作りなんて呼んでよいのか、あやふやな俺のチョコレートドリンク。
それを嬉しそうに飲んでくれるAに愛しさが増し、カップを持っている彼女の手を包み込みそのままローテーブルへとカップを置く。
「宏太?」
不思議そうに見上げるAの小さな手を柔らかく握る。
「今年は俺からね。」
見上げてくれたAの唇に柔らかく自分のそれを重ねれば、ふわりと漂うチョコの香り。
「A、大好きだよ。」
チョコより甘い空間は二人だけのもの。
Happy Valentine From.Kei→←Happy Valentine From.Daiki
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☆☆さお☆☆(プロフ) - おちゃのこさいさいさん» お誕生日毎に更新を続けてよかったです(*´ー`*) リクエストありがとうございます。知念くんの担当さんなのですね!11月まで長くお待たせした分、甘いのをいっぱい詰めた彼のお話を書けるように準備します! (2018年12月18日 8時) (レス) id: c4fa897311 (このIDを非表示/違反報告)
おちゃのこさいさい - 毎回JUMPの誕生日が来るとこの小説を読んでいました!今後の更新についても読みました。バレンタインの、お話、私は知念担なので知念君を書いてくれたら嬉しいです。これからも頑張ってください。応援してます! (2018年12月17日 19時) (レス) id: 97e5a79dd5 (このIDを非表示/違反報告)
☆☆さお☆☆(プロフ) - kizutsumuさん» ありがとうございます! テーマが甘いお話なのでキュンキュンしてもらえて嬉しいです。 有岡くんの担当さんなのですね! 楽しみなんてとっても嬉しいです。どんな彼にするかはまだちゃんと決めていませんが精一杯有岡くんの甘いお話を書いてみます! (2018年4月2日 23時) (レス) id: 59a83aa7ad (このIDを非表示/違反報告)
kizutsumu(プロフ) - すっごいキュンキュンします!(ノд<。`)ャベー つぎは、自担の大ちゃん・・・!楽しみにしてます! (2018年4月2日 22時) (レス) id: 4bb9dcf014 (このIDを非表示/違反報告)
☆☆さお☆☆(プロフ) - けとルト.・*さん» はい! 1年間で色々なお話を書いていきたいなぁと思います。 (2018年4月2日 21時) (レス) id: 59a83aa7ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆☆さお☆☆ | 作成日時:2018年2月1日 22時