Happy Valentine From.Yuto ページ43
「一応確認だけど今日て2月14日だよね?」
「そうだけど?」
フレンチレストランの個室。
弦楽器の豊かな音が流れる優雅な空間で、目の前に座る愛しい人は俺の返事に難しい顔になる。
「これだと逆じゃない?」
ボルドーの波が揺れるワイングラスに指を掛けて今の状況に納得していない様子。
「彼氏からって年もたまにはあっていいんじゃない?
それとも嫌だった?」
「あー違うの! 違うの!」
わざと不安そうな声を出せばブンブンと首を横に振って否定をする。
「裕翔とゆっくり食事出来るの久しぶりだからすっごく嬉しいの。」
その言葉にきゅって胸が掴まれる感覚。
ここ最近多忙な生活をさせてもらっていた分Aとの時間をゆっくり過ごせなかった。
それもあってこの特別な日に“今年は俺から!”て想いで誘った食事。
「でもさ……。」
彼女の沈んだ声に視線を移せば、視界に飛び込むのは胸元にVのカッティングが大胆に入った上品なワンピース姿。
うっかり視界に入れてしまえば、アルコールによって紅く染まっている胸元にドキリとして、これだけで体温が勝手に昇っていっちゃうんだ。
「“でもさ”の続きは?」
湧き上がった熱を沈めるように落ち着いた声で彼女へ聞き返せば、また難しい顔になってしまう。
「ハードルが高くなっちゃうなって……。」
「ごめん。 全然話が見えないんだけど。」
彼女が強く唇を1度噛み締める。
「もー!
こんなに素敵なお店でスマートにエスコートされちゃったら、私からのバレンタインのハードルが高くなっちゃってプレッシャーなのっ!」
「え? 俺そんなに期待してない……あっ、えっとそういう意味じゃなくて。」
言葉のチョイスを完全にミスれば、彼女の表情が暗くなる。
「A、手出して?」
どうしたものかと考えて出した言葉に素直にテーブル乗せられた華奢な指先。
それに自分の指を絡めて柔らかく握りしめれば、反応して彼女が遠慮がちに握り返してくれる。
「全然スマートじゃないよ?」
「え?」
「Aに喜んでほしくてすっごい頑張った。
だからご褒美ちょうだい?
Aのバレンタイン。」
彼女の手を口元へ持っていき滑らかな甲へ1つだけ口付けを落とす。
「ゆーとっ、、」
ちらりと彼女を見上げれば、さっきまでの暗さが消えて頬が桃色に蒸気している。
「早く家帰ろっか?」
そのままバレンタインに乗じて、甘くて熱い夜の扉へ彼女をエスコートしていくんだ。
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☆☆さお☆☆(プロフ) - おちゃのこさいさいさん» お誕生日毎に更新を続けてよかったです(*´ー`*) リクエストありがとうございます。知念くんの担当さんなのですね!11月まで長くお待たせした分、甘いのをいっぱい詰めた彼のお話を書けるように準備します! (2018年12月18日 8時) (レス) id: c4fa897311 (このIDを非表示/違反報告)
おちゃのこさいさい - 毎回JUMPの誕生日が来るとこの小説を読んでいました!今後の更新についても読みました。バレンタインの、お話、私は知念担なので知念君を書いてくれたら嬉しいです。これからも頑張ってください。応援してます! (2018年12月17日 19時) (レス) id: 97e5a79dd5 (このIDを非表示/違反報告)
☆☆さお☆☆(プロフ) - kizutsumuさん» ありがとうございます! テーマが甘いお話なのでキュンキュンしてもらえて嬉しいです。 有岡くんの担当さんなのですね! 楽しみなんてとっても嬉しいです。どんな彼にするかはまだちゃんと決めていませんが精一杯有岡くんの甘いお話を書いてみます! (2018年4月2日 23時) (レス) id: 59a83aa7ad (このIDを非表示/違反報告)
kizutsumu(プロフ) - すっごいキュンキュンします!(ノд<。`)ャベー つぎは、自担の大ちゃん・・・!楽しみにしてます! (2018年4月2日 22時) (レス) id: 4bb9dcf014 (このIDを非表示/違反報告)
☆☆さお☆☆(プロフ) - けとルト.・*さん» はい! 1年間で色々なお話を書いていきたいなぁと思います。 (2018年4月2日 21時) (レス) id: 59a83aa7ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:☆☆さお☆☆ | 作成日時:2018年2月1日 22時