甘い誕生日 (JUMP短編集)

Happy Birthday Yuri！(5) ページ31

「一応、今のが侑李への答えです。」


まだ固まっている侑李に早口で自分の大胆な行動の理由を説明。


途端に彼は驚き顔からニヤリとした表情。



「ダメ、それじゃ分からないでしょ。

僕が欲しいものはキス？ それともA？」



彼のストレートな言葉に煽られて慌てて顔まで被る布団。


「はーやーくー」

布地を引っ張られて催促されてしまう。


こうなると引かない侑李。


諦めて腕だけ出す。



そして、ゆっくりと指を動かして人差し指と中指で作る“2”のサイン。



「言葉で教えてほしかったけどまっいっか。」



膨れた声のあと、彼がパサリと掛け布団を剥がしてから、仰向けになる私の足の間にちょこんと正座。



その姿が可愛らしくて思わず真上にいる彼のサラサラの黒髪に指を通す。


そうすると気持ち良さそうに目を細めてくれるから、これだけで彼の特別なんだって伝わってくる。




「私の心は侑李のものだよ？」



さっきは言えなかった言葉。


今度はするりと溢れ落ちれば、それに応えるように私の頭を優しく撫でてくれる見た目以上にしっかりした掌。


触れてもらえるのが気持ち良くて、それだけで心が蕩けてしまう。



「僕の欲しいものちゃんと覚えててイイコだね。」



綺麗な形の唇が強気な言葉を紡げば、正座から体勢を変えて近づく侑李の顔。


「僕の誕生日はさ、Aの心が僕のものだって確かめる日にするのもいいかもね。」




唇が触れる間際に聞こえた声。


間を空けずに侑李がその唇を柔らかく私の唇に押し当てて意味を教えてくれる。


1度だけ触れた唇は重なったまま。


長くなった触れ合いに次第に苦しくなる。


「、、ゆっ、、り、、」



少しだけ隙間を作って限界を訴えると離れる触れていた部分。


だけど



「まだ、全然確かめ終わってないよ？」


「ゆっ、、んっ、、」

「ほらもっと、、」



ふわりと甘い口づけを増やして侑李が私の気持ちを幾度となく確かめる。


全部侑李のモノにしてほしくて、自分から彼の指先に指を絡めていく。


「ね？ 僕のこと好き？」


「すきっ、、 っぁ、、」



唇よりもっと深い、奥での触れ合いに代わって溶けていく心。



「A以外にはいないからね。」




キスの合間に囁いてくれた言葉。




その続きはとてつもなく甘美なもの。




「僕が愛したいのはAだけ。」



言葉通り。



1つ年を重ねた侑李にいつも以上に愛される喜びを教えてもらう。


Happy Birthday Yuri END

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