甘い誕生日 (JUMP短編集)

Happy Birthday Kota！(3) ページ3

「ねぇ。A姉ちゃん。」


久しぶりに呼ばれる呼び名にイケナイことをしている気分。


私の反応を見ていつもより低めの声で耳元で囁やく。


「 ねぇA

子供の宏ちゃんと大人の宏太


どっちが好きなの？」



彼の目はもう子供なんかじゃなく大人の男の人の目。


その目に負けそうになる。

「それは。

どっちも同じ宏太だから比べられないよ。」


恥ずかしさで彼が納得しない答えを言ってしまう。


すると彼は握っていた手を離す。


次の瞬間

宏太は私の腕を引き寄せて自分の胸に抱き寄せた。


「どっちもねぇ。

欲張りだねAは。」

さっきよりももっと低く大人の色気を放つ声。

その声色に身体が震えてしまう。


そして


抱き寄せた身体を少し離して宏太は目をつむり私の顔に自分の顔を近づける。


もう大人だからわかる。

何回も彼としているんだもん。


宏太が今から何をしようとしているのか。


だから私も目をつむりその先を待ちわびる。


だけど


フニャ

触れたのは予想していない感触。


驚いて目を開けると笑っている彼の指が私の唇に当てられてる。

彼は私の反応を見てニヤニヤしながら意地悪なことを言う。


「ね？してほしかった？


キス。」


彼の可愛くない質問に年上なのに振り回されてしまう。

だけど

私は恥ずかしいけど素直な気持ちを伝えてしまう。


「続き・・・


してほしいの。」


でも今日の彼はそんなに甘くなかった。


私がさっき言ったことの仕返しをまた言って私を焦らす。


「でも子供の宏ちゃんはこの先はできないんだけどなぁ。」


焦らされて我慢できない私。



「宏太はもう大人だよ。

大人の宏太の方が好きだから続きしてほしいのっ。」

彼の胸に抱きつき続きをねだる。


すると宏太の優しい声が耳元で聞こえる。



「 最初っから素直になりなよ。

28歳になった俺ちゃんと感じろよ。」

そして待ちわびてたたくさんの甘いキス。

その合間にくれる優しい言葉。

「愛してるよA」

1つ大人になった彼からのキスは
いつも以上に甘くて特別だった。


Happy Birthday Kota！ END

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