Wプリンセス【御子柴実琴】

迷子3 ページ23

その影は御子柴先輩でも遊ちゃんでもなく奇妙な歩き方だった

背中を丸めポッケに両手を突っ込んでフラフラと歩く姿はまるで…………

ヤクザだ！！！！
近くに来てやっと顔や見なりを認識することができる
こんな夜にサングラスをかけ、豹柄のスーツを見にまとっている


どどどどうしよう！
絡まれないよね！？普通にしてれば大丈夫だよね！？
落ち着くのよ、A！
深呼吸、深呼吸、スーハースーハー
よし！これで真顔でいられる！！


私はガッチゴチに固まった身体で、歩いてくるヤクザに背を向けて立った



ヤクザ「おいっ」

ビクッッッ


話しかけられたあぁぁぁ！！！

私「は、、は、はい、」

私は引きつった顔でヤクザの方を振り向く

ヤクザ「んでこんな夜中にガキが出歩いてんだよ？あ？」

私「は、、はい！！」

ヤクザ「はいじゃねぇよ！？理由答えろつってんだろ！？」

私「す…すいません！ごめんなさい！」

そのとき聞き慣れた声が間に割り込んだ

御子柴「な、何してんだよ！？」

声の方を振り向くとそこには御子柴先輩が立っていた
…………足をガタガタと震わせながら


私「…先輩！！！」


私は思わず先輩の方へ駆け寄り、先輩の腕にぎゅっと抱きついた


ヤクザ「なんだぁお前は！？」

御子柴「ぅ………ぇっと………その………！」


先輩怯えてる！？
どうしよう！私が助けなきゃかな！
でもこんなヤクザ相手じゃ勝てっこないし…！逃げるしか……



ヤクザ「ガキはさっさと家に帰れつってんだろ！？」


えっ……………？


私「あ…の……ガキって私たち？」

ヤクザ「他に誰がいんだよ？あ？」

私「いや……あの……すみませんでした！！！」

御子柴「ちょ、青崎！！」


私は先輩の腕を掴み走って逃げた

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