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Aが受けた呪いは"愛する人と寿命が入れ替わる"というものだったらしい。人を獣に変えてしまう呪いが存在するならば、そんな摩訶不思議な呪いが実在していようと可笑しくはないが、何故狙ったかのようにAがこの呪いを受けてしまったのか。まさに、選ばれたかのように。
葬儀は粛々と行われた。元より一族の者を、それ以外の人間が見送るなどということは滅多にないことで、誰も近寄らなかった一族の区域の中、俺達3人は正装にも関わらず異端に見えた。
ひっそりと、けれど美しい花々に囲まれた幻想的な場所で、沢山の人にAは見送られた。誰も泣き崩れる事はなかった。それどころか皆、誇らしげに微笑み、時に静かに涙を流して彼女を見つめていた。
代々土葬で行われる一族の葬式は時の流れと共に終わりを告げる。土を被り、棺桶さえ見えなくなった場所で、Aの存在を主張するようにひっそりと墓標が立てられていた。
彼女はあの時、既に決断していたという。呪いを受けたあの日から、自らの命に代えてでも俺を守ると。
守ると誓った俺を守りたいと、あの子も思ったんでしょうね。
彼女の母親は俺を責める事なく儚く笑って、あの子の為に、と俺の手を両手で包んだ。
「どうか、幸せに生きて頂戴。あの子の分まで」
しっかりと頷いた俺に再び微笑んだ母親は、父親と思われる男性に支えられながら墓跡を後にする。残された俺達3人は、一列に彼女の墓を静かに見下ろした。
「良い子だったよ、Aちゃんは」
取り出したヘッドホンを首に掛けながら、おついちさんは囁く。
「可愛い俺達の妹だ」
サングラスを掛けて静かに笑った兄者に同意するように俺も笑って、ゆっくりと膝を地につけた。
触れた墓跡はとても冷たく、温かかった彼女の面影はどこにもない。けれども誓う様に俺は墓跡を撫でた。
「ちゃんと、受け取ったから。Aの気持ち」
あの日、柔らかく微笑んだ君の声を、俺は忘れないよ。
「そっちで俺のこと、見守っててよ。ヨボヨボの爺さんになるまで、幸せに生きて見せるから」
だからそれまで待ってて欲しい。
「そっちに行く時は、沢山の土産話持ってくからさ」
最後にもう一度、Aが好きだと言ってくれた満面の笑みを浮かべて、彼女の墓石に口づけを落とす。
「ほんじゃぁ、またな」
これは呪われた一族に生きた優しい女の子と、彼女を愛した町一番の人気者である男の子の、優しい優しい物語。
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鳥(プロフ) - 美樹さん» 初めまして、美樹さま。ご報告ありがとうございます！こちらの確認ミスでフラグがついたままの公開になっておりました。大変申し訳ございません。以後このような事が再発しないようしっかりと気を引き締めて活動させて頂きたいと思います！ご報告ありがとうございました (2018年2月23日 10時) (
レス) id: f59bcff184 (このIDを非表示/違反報告)
美樹(プロフ) - 実在する人物が登場しますので、オリジナルフラグを外して頂けませんか？このままでは違反報告の対象です。 (2018年2月23日 10時) (レス) id: e536c968fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Ms.Flamingo | 作成日時：2018年2月22日 22時
