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アレコレとそれらしい理由をつけてAをこの場所に連れて来たのは、ここならセキュリティばっちりのお屋敷から外へ出る必要が無く、最低限の身の安全は保障されると思ったから。
どうせ俺のツテでは、真っ当な行き先なんて見繕ってあげられへん。
それならまだ「グレーゾーン」なここで、何も知らずに囲われててくれた方がマシってもんや。
「旦那の返済待ってもらう代わりに、嫁さんが自ら借金取りに我が身を差し出してた」なんて、ホンマ嫌な話。
しかも結果的に妊娠しちゃって、旦那には内緒で夫婦の子として生んで育ててたのがAなんて、とてもやないけどA本人には聞かせられない。
だからホンマは俺が�猜�違いの兄″だなんてことも、アイツは、終ぞ知らなくてええ話。
あーあ。
考えれば考えるほど、クソみたいな人生。
けどそんな中で一瞬でも「家族みたいな安らぎ」を感じたのは、回収に行った先のアホな家族と食べる、謎の夕飯やった。
まぁるいクリスマスケーキを挟んで覗き見た、誰にも言われへん�猖紂蹐隆蕁�
俺と似てるような、そうでも無いような。
けどもしかしたら俺らの運命って、ちょっとタイミングが違えば逆だったかもしれんなって。
俺がここんちで育てられて、Aが嫁に逃げられた親父にくっついて汚れ仕事を見て回る。
そう考えるとゾッとして、「ああ、俺が�爐海辰繊蹐如▲曠鵐泙砲茲�った…」なんて、人知れず胸を撫で下ろしたりもした。
あの子はいつまでも、「みんなに愛される家族のお姫様」のままでええねん。
例え不幸でも貧乏でも、それだけは、俺が守ったるわ。とりあえず他人のフリのまま力を貸すから、どうかここから抜け出して。
光の当たる世界へ戻って、もう決して振り返らないで。
俺は俺で
まぁなんとか、生きては行くからさ。
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作者名：マヨ
| 作成日時：2022年7月20日 1時
