検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:107,719 hit

死神と黒猫 ページ28

.




「・・・なあ、すばるくん?俺らさっきからなに見せつけられてるんやろ?」

「知らんっ!」



ダイニングテーブルでビスケットをつまみつつ眉を垂れる亮と、心底ご立腹なようすのすばる。

ここまで彼らは完全に外野状態だった。

ごめんよ、ふたりとも。




「・・・ほら、怒ってんで。おまえの魂の恋人が」

「なんかその言い方ダサくない?」




章大は振り向き、そのきれいな目で睨んでくる。

すこし冷めた蜻蛉玉のひとみが、あのころの彼を思い出させた。




「なあ、いつも思ってたんやけどさ、Aってなんで章ちゃんのこと死神って呼ぶん?」

「そういうプレイやからやで」

「おい死神」




勝手なこと言って。

本人はわざとらしくにこにこしているけど、亮は完全に固まってしまっている。




死神はそんな亮を手招いて、『これ聴いて』と作業途中の曲を試聴させはじめた。

ふたりはおなじ音楽業界に生きる人間で、あの人見知りの亮が瞬く間に心を開き、今度、某アイドルグループの楽曲をいっしょに制作するらしい。

これはわたしの推測ではあるのだが、たぶん、偶然。というより必然に。

亮と章大は運命共同体なんだと思う。




わたしはダイニングテーブルに移動する。

ビスケットをばりばり嚙みくだきながら、死神をじっとにらみつけるすばるの横顔。




「すばる顔こわい」

「・・・俺あいつきらいや」

「はいはい、もう聞き飽きたよ。それ」

「Aもりょーもあいつに盗られた!!!」

「そんなことないって、もー」




許さへん!と毛を逆立てて威嚇する黒猫ちゃんを、死神は余裕顔で見やっている。

なんでこう、あいつはいつも好戦的なんだろう。

もっとみんなで仲良くしてほしいのに。




「オマエどっか行け!消えろ!」

「ここおれの家やし。しぶやんこそ帰ってええよ?」

「嫌や!!仲間外れにすんな!!」

「はは、難しいコやなあ〜」





いつまでもこんな日々が続けばいいと、切に思う。

あなたが居て、わたしが居て。

それらはすべて奇跡なのだから。

ダイスキ→←あまのじゃくさん



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (354 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
329人がお気に入り
設定タグ:関ジャニ∞ , 安田章大 , 渋谷すばる   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

眞光弓眸 - バレンタインらしい、とってもいい小説でした! (2018年3月14日 21時) (レス) id: f707b6af10 (このIDを非表示/違反報告)
べに(プロフ) - 安紀子さん» 安紀子さん、はじめまして!こちらこそ、読んでいただいてありがとうございました!何かすこしでも届けられたものがあったなら幸いです!(^^) (2018年2月15日 23時) (レス) id: c68c31e30a (このIDを非表示/違反報告)
べに(プロフ) - 安田ヨココさん» 安田ヨココさん、はじめまして!読んでくださってありがとうございます!そんなふうに言っていただけてうれしいです!おまけ、書き上がったら更新しますね(^^) (2018年2月15日 23時) (レス) id: c68c31e30a (このIDを非表示/違反報告)
安紀子(プロフ) - 初めまして(^^) 素敵な作品をありがとうございました。読み終えて、何だか暖かい気持ちになりました(*´ω`*) (2018年2月15日 14時) (レス) id: 5200fb55a9 (このIDを非表示/違反報告)
安田ヨココ(プロフ) - べにさんの小説をはじめて読ませて頂きました。しょうたくんが涙を流す場面がとても心に打たれました!!!最後、再会ですかね!よければおまけ的なのをかいてほしいです^ ^ (2018年2月15日 8時) (レス) id: d4fbe2e5a6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:べに | 作成日時:2018年2月14日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。