03.SUNDAY, 22 ページ3
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こんなことずっと続けられないって分かってる。
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香奈「もう私たちも三十路手前だよ、分かってる？」
「わかってる」
香奈「同級生だったユカも、エリコもみーんな結婚してんだよ」
「わかってる」
香奈「私はまだいいよ、フリーだから。でもアンタは相手はいるけど縛ってる相手が結婚してんのよ」
「わかってる」
香奈「自分の幸せを考えたら別れた方がいい。それか本気で社長令嬢と小野先輩を別れさせるしか方法はないよ」
「わかってる」
香奈「わかってないから言ってんの！A！」
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わかってるけど、わかってない。
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とにかく。何かしらのアクションを起こさないとこのままじゃAもダメになるよ。
私は心配して言ってるんだからね。
…何かあったら、言うんだよ。力になるから。
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香奈は私にそう言って明日早朝出勤だから、と21時半に女子会はお開きになった。
バイバイとお互いの家路を辿るために別れて一人寂しく都会のネオンを浴びながら歩き出す。
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ーーーー…頭ではわかってるけど、身体はわかってない。
誠くんを信じたい気持ちもあるけど、信じれない気持ちもここ一年でむくむくと顔を出してきた。
もしかして私はやっぱり最初から遊びだったんじゃないか、社長令嬢と別れる気はないんじゃないか…。
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そんな不安と焦燥が毎日毎日、私の心を楽しそうに蝕んでは夜が眠れなくなる。
不実を行っているのは紛れも無い私だ。
世間が冷たい目で見るのは社長令嬢じゃなくて、私の方。だから迂闊に何も出来ない。
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私は…どうすればいいのか分からない。
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駅にたどり着いて、電車が到着するまで少し時間が空くのでなんとなく、スマホのラジオアプリを開いて
イヤホンを耳に挿し込んで目を閉じる。
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いつもこの時間のラジオが好きなんだよなーーー…、って癒されようと思ったら。
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“俺ね、184階のマンションに住んでんのよ。滝と噴水もあんの、移動はセグウェイでさー”
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「…は？」
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男の人にしては高い声と鼻にまとわりつく甘い声。
そして嘘八百をペラペラと喋るラジオが流れてきた。
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