16.POWER POWER ページ16
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誠「こちら、今回のゲームのアンバサダーを務めて下さいます、二宮和也さんです」
和也「二宮です。よろしくお願いします」
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…はて。
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コの字型に置かれてる会議テーブル。
そんな私の斜め前あたりにニコニコアイドルスマイルを浮かべてるのは紛れもなく国民的アイドルで
そんな国民的アイドルの隣には誠くんがいる。
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どういう組み合わせ。…というか状況がよくわからない…。
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ガチャリといつも通り資料とパソコンを抱えながら開けた扉の向こうには、女子社員たちにチヤホヤされてる二宮さんがいて
は？と口をポカンと開けていれば誠くんがスッとそばに来て「コマーシャルに出てくれることになったんだ」と何食わぬ顔で話しかけて来て
は？と口をポカンと開けていれば「初めまして。二宮です」と二宮さんが初対面を装って来たから私の口は本当にもうこれ以上ないってぐらいポカンと開いた。
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状況は、うん、大体は呑み込めている…はず。
誠くんとしてはただただゲーム好きの芸能人でPRが出来るという面で二宮さんを選んだんだろう。
そして二宮さんも仕事を引き受けた。…あれ？ってことは誠くんのことは元々知ってたってこと？
でもたかが取引相手の名前なんか知らないはずだし。私のことは何一つとして彼は知らないはず。
それとこれとは二宮さんが私の名前を知っているということには結びつかない。
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うーん、うーんと頭を悩ませていれば不意の偏頭痛が現れてもっと、うーんうーんと悩ませる。
気がつけば会議は終わっていて、気がつけば会議室には私と後片付けをしている誠くんしかいなくて。
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…うわ、最悪。と慌ててパソコンを閉じて資料を集めていると
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誠「昨日は、連絡もなしにごめん」
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…とまあ、そうなるよね。という展開に運び出された。
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「…別にいいよ。なんかあったんでしょ？」
誠「うん、急な仕事が入って」
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嘘をつけ。
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「…へえ、そうなんだ。それなら仕方ないね」
誠「ごめん、埋め合わせはちゃんとするから。…あ、なんなら今夜メシでもどう？メシぐらいなら…」
「ごめん、今夜は人と予定があるから」
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そして、私も嘘をつく。
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17.張り詰められた嘘を溶かしてくれるのは、あなた。→←15.change
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