14.カレノオモワク ページ14
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それからというものの、日曜日の夜と言うのに私は二宮さんに根掘り葉掘り聞かれ
小野誠のこと、今日あったこと、別れられないこと。
全てをクリアに話して、その内容を二宮さんは至って真面目にノートに綴っていった。
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彼は私の何かを知っている。
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名前を知っていたこと。
エレベーターで毎回鉢合わせになること。
毎回、別れ際では「またね」と言うこと。
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それはきっと全て計算されているもので
でもなんのために計算して私のことを知ろうとしているか分からない。
しまいには私のプライベートにまでズカズカ入り込んできて、私を助けると言う。
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ーーーー…助けられる、わけがないし
なんの根拠があって助けられるなんて思っているのか。
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私には全く分からない。
普通だったらこんなトントン拍子で物事は進まないものだ。
ましてや相手は国民的アイドル。何万人、何十万人の人たちが愛してやまない人間国宝のような人。
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そんな人が、なんで私なんか。
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和也「あー…別にノート書かなくても今のご時世スマホのメモ機能使えばよかったか」
「…それは別にどちらでも…」
和也「にのみやちゃん」
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隣に座ってる、テロンテロンのTシャツを着て襟足がぴょこんと跳ねてる彼が
少し酔っ払ってるからか、微妙な滑舌で私の名を呼ぶ。
…ちょっぴり、お酒臭い。
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「うめみや、です」
和也「君は小野誠が好き」
「…好き、なんだと思います。でも最近よく分からなくなってきてるような」
和也「小野誠を自分のものにしたい」
「…ずっと好きだったわけですし」
和也「二人を別れさせたい」
「……まあ、欲を言えば」
和也「わかった」
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和也「俺に任せて」
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ーーーー…国民的アイドルは、そう言って得意気に笑った。
その笑顔はよく本屋で見かける雑誌の表紙の笑顔とは別物で
なんだかちょっぴり、どきりとした。
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念のため連絡先を交換し、彼のラインのアイコンが初期設定のままになっていることに妙に納得がいって
私は明日も早いのでと彼の家を出た。
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そんな彼の思惑が分かるのは、翌日のことだった。
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