【01】 ページ49
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私たちのお付き合いは順調だった。
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ーーーー…ただ一部の、夜のあれこれを除けば。
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智「ブーーーーーッ」
「うっわぁ！？」
智「ゴホッゴホッ」
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誕生日前日。
お仕事がオフだというのでまた相談をしたいのと、普通にご飯に行こうと誘われていたので
個室のご飯屋さんで大野さんと夕ご飯を食べて、経緯を説明すると彼は飲んでいたビールを思い切り喉に詰まらせた。
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慌てておしぼりを渡すと、息を整えてる大野さん。
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智「…っはー…はー…、えマジで？」
「マジです。え、そんなに驚きます？」
智「付き合ってから一度もしてないの！？」
「…致しておりません」
智「一緒に寝てるんでしょ？」
「寝てますけど…、抱きつかれたらいつも避けて寝てたので」
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今度は目を細めて「うわー…生き地獄ー…ニノかわいそー…」と哀れみの言葉。
いやいや待ってよ。違う違う。
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「私だって大人だし！男性経験だってないわけじゃないです。そういう雰囲気になればいつでもカモンでした！」
智「カモンだったんだ……」
「でも…カズが」
智「手を出してこない、と」
「はい…」
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契約関係だった時も、付き合った後も。
変わらず一緒に寝るのに、カズはぎゅうぎゅうと抱きしめて来るだけでそれ以降のステップを踏むことはなかった。
キスだってベッドの上ではちゅっ、と触れ合うだけのものでもっと、とねだっても「可愛いね」って笑うだけ。
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若干の不安。
もしかして私に魅力がない？そんなまさか。あんなにデレデレに甘やかされてるのに？
いやでも…私の体型は別に特別なものじゃない。それに反してカズはスラッとしたモデルさんとかと仕事をしてる。
そういう人と、比べてたりしたらどうしよう。
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「私に魅力がないんですかね」
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ぼそ、とつぶやいた弱音。それをみて大野さんは優しく微笑んで向かい側にいた席から
私の隣に来てぽん、とカズとは違う頭の撫で方。
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智「でも誕生日に欲しい、って言われたんでしょ」
「…」
智「だったら欲しいんだよ。うめちゃん可愛いし」
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ね？って言ってもらった瞬間
バンッと背後の扉が開いた。
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