【03】 ページ43
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すみません、と可愛らしい女の子！な声の持ち主はさっきのAにどこか似てる倉本さんで。
頬を少し赤らめながらパタパタと駆け寄ってくるもんだから
やっぱりどこかAに似ていて、胸がざわついた。
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倉本「いきなり、すみません。あの私二宮さんにお伝えしたいことがあって…」
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人気がない廊下。パンツのポッケに両手を突っ込みながら「ん？」って首を傾げれば
またボン！と赤くなる倉本さんの顔。
…あぁ、なんとなく。察せた。
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今までだってなかったわけじゃない。
長年一緒にやってきた女の子が告白してきたことだってあったし、一日だけ関わった女の子が猛烈なアピールをしてきたことだってあった。
だからこの子が特別、ってわけでもない。
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いつもだったら察した時点で「あー…ごめんね？」って申し訳ない顔をして謝ってた。
そうすれば相手の女の子だってバカじゃない。固まった笑顔で逃げ出すか、謝るかの二択だった。
だから。この子の告白を最後まで聞こうと思ったのはーーー…別に深い意味なんてなくて。
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倉本「好きです」
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…なくて。
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『私、カズが好き…』
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倉本「あの、二宮さんが嵐だからとかじゃなくて、全然そういうことじゃなくて」
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『…私、いつも一緒にいるカズが好き。テレビの中のカズはカズじゃないからなんかむず痒い』
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倉本「ずっと前、まだ駆け出しだった頃、ど新人の私の名前を覚えてくれたことに感動して…」
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智『Aちゃんに特別固執する意味はない』
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倉本「あのだから」
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わかってる。わかってるけど。
わかってんだよ、んなこと。
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和也「ありがとう」
倉本「え」
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ふんわり、優しく微笑んだのは意味はない。
この笑顔を向けたら、Aがすごい嬉しそうに笑ってくれたからとかそんな意味はない。
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和也「倉本さん、だよね」
倉本「っはい」
和也「ごめん。倉本さんがいい人だって、信用して言うね。俺、好きな人がいます。」
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ごめん。
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倉本「…そう、ですか」
和也「ずっと好きな人がいます。ごめんなさい」
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…ごめん。
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