君のいない夜の裏っ側ー微熱37℃ 番外編１ー ページ40
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“うめちゃん”なんて、名付けなきゃよかった。
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微熱37℃ 番外編
【君がいない夜の裏っ側】
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よく聞く話。捨て犬や捨て猫に名前をつけちゃいけない。
どうせすぐいなくなってしまうから。どうせすぐに元の飼い主に戻ってしまうから。
愛着が湧いてしまうと、手放し難くなる。
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名前をつけてしまうと、余計な感情を生み出してしまう。
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これは、俺がAに普通をあげられないと踏み彼女と契約を破棄し
そして彼女と再会するまでの期間。つまり物語軸でいうとAが真優と誠と戦っている間の
ただただボンクラになってしまった本編の裏っ側の俺の話である。
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羽柴「いつまでホテル住まいするんですか」
和也「うるっさいなぁ…、いいじゃん。ホテル。掃除しなくても掃除してもらえるのよ？ラッキー」
羽柴「結構前にもホテル住まい一回しましたよね。しましたよね！」
和也「あーきこえなーいきこえなーい」
羽柴「子供ですか……」
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あの部屋を手放してしまったもんだから、俺は帰る場所がなくなった。
新しい部屋を探すっつってもちゃんとしたセキュリティのマンションがいいし契約だって色々大変。
羽柴が一度、「俺が探しましょうか」って提案してきたけど断った。あ、羽柴って「俺」って言うんだよ。意外っしょ？
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新しい部屋に住むのには、抵抗があった。
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羽柴「地方での短期のホテル住まいとは勝手が違うんですよ」
和也「わーってるって。すぐに見つけます。部屋見つける見つける」
羽柴「なんでこうも使えないダメ人間になったんですか。本当に」
和也「ハイハイ」
羽柴「もうこんなんだったら梅宮さんに連絡…」
和也「やめろや」
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羽柴が取り出したスマホを思いもがけないスピードで奪い取れば、羽柴が目を丸くして俺を見る。
手の中にあるスマホは少し熱を持っていて
ディスプレイには「梅宮さん」の文字。
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新しい部屋を探すことには抵抗があった。
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和也「…こいつは、もう関係ない」
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そんなの言い訳で
俺の、ただのあの子への未練。
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