183.誰だって好きな人に嫌われるのは怖いもの ページ24
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和也「そこから。あ、多分俺、真優のこととか関係なくAのこと好きなんだなって意識し始めたの」
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カズはまるで息をするように、当たり前にそう言うけれど
私にとってはずっと、ずっと欲しかった言葉で。カズが私のことを好きって言った、って頭の中がまたパニックになって
涙はまだまだ泣き止まないから、本当に困った。
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和也「でも」
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迷った。すっごく。
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カズの声が急に低くなって、私の手をぎゅぎゅっと繋いでくれる。
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和也「俺は……Aに普通をあげらんない」
「……」
和也「ずっと誠と付き合ってて、普通に憧れてたAを一番近くで見てきたからこそ、余計」
「……」
和也「誠はまだ普通をあげられる。一緒に外に出て手を繋いで歩ける。でも俺にはそれが出来ない」
「……」
和也「制限させる。我慢させる。今までの彼女だって、そうだった。最初は大丈夫だって言って時間が経つともう耐えられないって離れてく」
「……」
和也「Aまでそうなったらどうしよう、ってーーー…怖くなったの。ダッセェでしょ」
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ハッて鼻でカズが笑ったのは、多分自分自身への嘲笑い。
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和也「Aが隣にいると心地いい。素でいれる。楽だし、楽しい」
「……」
和也「そんなAが耐えられない、って同じように泣きながらこの部屋を出て行く姿を想像したら堪えられなくなった」
「……」
和也「それに。」
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和也「俺といると、Aはまた沢山泣くかもしれないでしょ」
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今だって、ほら。超泣いてるじゃん。
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ふは、って笑って親指で私のほっぺをグリグリと撫でて涙を拭ってくれるカズ。
違う。そういう意味での涙じゃない。
そう言いたいのに、言えなくて。ひっく、と嗚咽をあげるだけの自分は。
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カズの前だと、どうも弱くなる。
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和也「Aに真優のこと黙ってるのもいけない、と思ったら真優が帰ってくるし」
「……」
和也「あ、神様が離れんなら今だぞって言ってんのかなとかさ。思っちゃうわけですよ、イロイロ」
「……だからバイバイしたの？」
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私の言葉に、カズは苦笑いを浮かべて頷いた。
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