174.Dear....... ページ15
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いつだって、大切な人が幸せになることを願っている。
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「…どうしよう」
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誰だって、大切な人が笑顔でいられるようにと願っている。
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「電話番号…、消しちゃったし…」
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そして願わくば
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「……羽柴さん！！」
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その笑顔の隣にいられるのが、自分でありたいと強く思っている。
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お店を飛び出したはいいものの、カズがどこにいるかも連絡先もわからない。
テレビ局なのか、スタジオなのか、もう場所さえもわからない。
家でじっくり待っていればいいかもしれないけれど、それもそれで落ち着かない。
そもそも、カズが今どこに住んでいるかも私は知らない。
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どうしようーーーー…とスマホを片手に人が行き交う街の中を歩いていると
ぽん！と思い浮かんだ人の顔。
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そうだ、羽柴さんの連絡先は
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「…消してない！」
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ディスプレイに表示された、羽柴さんの文字。
迷わず電話番号をタップして、電話をかける。するとすぐに繋がる電子音。
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「お願い……出て」
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プルルルルル。プルルルルル。
まるで私の気持ちを急かすように、電子音は鳴り続け
それは太鼓のように私の鼓膜を叩きつける。
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信号が赤から
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羽柴『…はい、もしもし』
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青に、変わった。
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「羽柴さんっ！」
羽柴『羽柴です。声が少し大きいかと…』
「あ、すみません…。あの」
羽柴『ご用件は何でしょう』
「あのカズ…」
羽柴『…梅宮さん。』
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羽柴『今、どこにおられますか？』
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ーーーー…羽柴さんは、私が思ったよりすぐ近くにいた。
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どこにいるのかと尋ねられ、最寄りの駅を答えたら「今俺、隣駅にあるので向かいます」と
少し意味がわからないまま電話を切られ
そこらへんにいてくださいって言われたので、言葉通りそこら辺…、地下鉄の入り口の近くにあるベンチに座り込む。
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そうやって、座り込んで約5分。
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羽柴「梅宮さん」
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スーツ姿の、羽柴さんがやって来た。
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