153.ねぇ、そんな目していた？ ページ18
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佐藤「待ってください！ドア開けるの！深呼吸させてください！すー…はー…」
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嵐さんが待機してる部屋の前にやって来るなり、ストップを出してきた佐藤くんは平和そうで本当に羨ましい。
あはは…って苦笑いしながら、自分も気づかれないように深呼吸を繰り返す。
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この扉の向こうに、カズがいる。
契約を破棄したあと、一度も声も顔も何も知らないカズがいる。
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佐藤「じゃ、開けます」
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コンコン。はーい、と…多分この声は櫻井さん。
佐藤くんがその返事を聞いて扉を開ける。
光が、漏れる。
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「失礼します。先日はお世話になりました、梅宮……です」
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私の心配は、杞憂だった。
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大きな部屋には、カズの姿は見えなくて。
何社もの新聞を持っている櫻井さんと、スマホを触ってる相葉さん、お弁当を食べてる松本さんに
そして私の顔を見て、ふんわり微笑んでくれる大野さんしか、いなかった。
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智「うめちゃーん」
「あ…、お久しぶりです。」
翔「こんにちは。よろしくお願いします」
「こちらこそ！みなさん、本日はよろしくお願い致します！」
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ぺこり、とお辞儀をすると大野さんがぱちぱち〜と拍手をしてくれるから気恥ずかしい。
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ーーー…カズは、いないのか、まだ。
ホッとしたような、残念なような。
取り敢えずバクバクとうるさかった心臓は、まるで嘘みたいに静まって企画の趣旨を説明していく。
皆さんはうんうん、と佐藤くんが配った資料を見て頷いてくれて説明はオッケー。
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よろしくお願いします！ともう一度お辞儀をすると、こちらこそ！と反応してくれる彼らは本当に素敵な人たち。
佐藤くんに「戻ろっか」と合図をして、ホッとした胸を撫でたのもつかの間
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大野さんが「もう来るよ」と呟く。
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え？ってその言葉に振り返った瞬間
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ガチャ…と扉が開く音が、鼓膜を揺さぶる。
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それはスローモーションだった。
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扉が開く。
セットされた「芸能人」な彼の足が動く。
大好きな唇が少し、開く。
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目と目が、合った。
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