48.揺蕩う眩暈はほろ苦いアルコールのせい ページ19
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智「へえ。それでニノに無理やり連れて来られたんだ」
「はい……。しかたなく」
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大野さんはカズとは180度違う人だった。
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半ばナンパのように話しかけられたけど、話す内容は至って普通で
カズのようにテーブルに向かおうとは言わず、むしろ一緒に壁にもたれかかってくれた。
それからニノとなんで一緒にいるの？とか。どうやって来たの？とか。根掘り葉掘り聞かれたので
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契約のことは伏せて、本当にCM関連で出会ったと言って
味噌汁作ってあげたでしょ？っていう質問にもある心当たりはあったけど違うと全面否定。
なんでこのパーティーに来たのかは、知り合って仲良くなったら無理やり連れて来られた。とだけ。
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シャンパングラスに揺れる、アルコールが半分を切る。
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智「てっきりニノの新しい彼女さんかと思った」
「あ…、それオグリさんにも言われました」
智「あ、来てんだ。あとで挨拶しとこ」
「か…、二宮さん連行されちゃって」
智「なるほどね。だから端っこで一人になってたんだ」
「はい…」
智「ダメだよ、こんなパーティーで一人ぼっちで壁にもたれかかったら。悪い奴に引っかかるよ」
「！…(笑)、やめてください、そういうの。私なんか」
智「綺麗だよ。俺はそこら辺にいるモデルとかよりAちゃんの方が親しみやすくていいと思うけどな」
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国民的アイドルはお世辞もすごく上手いんだな…。
すごい、と感心しながら吐息を吐いて。
あ、それとも親しみやすいって一般人だからかな？お高く止まってたりしないからかな？…なんて考えて。
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大野さんだって、カズとおんなじ芸能人。おんなじグループ。
綺麗、っていうレベルじゃない程の女優さんとかを嫌でも見て来たはず。
そんな人たちより私の方がいい、なんて本気で言ったんなら私は本気で眼科をオススメする。
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智「そのドレス、もしかしてニノ？」
「え？…あ、あぁ…そうです。」
智「へえ…、ネックレスも？」
「？そうですけど…」
智「ふうん…」
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突然の問いかけに答えると大野さんはそんな私の回答を聞いて意味ありげに微笑む。
すると、どこかで彼を呼ぶ声がして。「呼ばれちゃったから行くね、またね」とだけ残してその場を去った。
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