121.二日酔いモーニング ページ13
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考えたって、どうしようもないことは分かってる。
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和也「っあ゛ー、頭いでぇ」
「あ、起きた？」
和也「あ゛ー……マジで気持ち悪。水欲しい」
「はい」
和也「サンキュ」
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眉間にシワを寄せて、本当に気持ち悪そうな顔をして私が差し出したコップに揺れる水面を一気に流し込む。
水が流れ込む時に見える、はだけた首元がいちいち男を主張してきて目をそらす。
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意識を紛らわすように、朝食の準備に取り掛かる。
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和也「あー…マジで。水飲んでもサッパリしねぇ」
「朝ごはん食べれる？」
和也「何作ってんの？」
「冷蔵庫にロクなもの入ってなかったからスクランブルエッグとかよ」
和也「じゃあそれとコーヒー貰うわ」
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それだけ言ってフラフラとした足取りで、目の前の大きなソファにボスン！と超ダメ人間みたいに
身を投げ込むカズ。そんな姿を立派すぎるオープンキッチンから眺める私。
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ジャーーーー…と水道水が私の手の体温を奪ってゆく。
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考えたって仕方ないのは、わかってる。
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ーーーー…『…え？』
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昨晩。
ベロンベロンに酔っ払ったカズをベッドに連れてきて、しばらく幸せに浸っていると鳴り響いた一通の電話。
着信相手はーーー…“真優”。
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胸に翳りが出来た。
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もしかしたら共演者さんかもしれない。業界の知り合いさんかもしれない。
ただの友達かもしれない。色んな可能性は無限に広がるはずなのにたったひとつ。
たったひとつ。離れてくれない、纏わりつく考え。
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カズは滅多に電話が鳴らない人だ。少なくとも私と一緒にいて電話が鳴るのは羽柴さんくらい。
なのに、真優って。女って。
胸騒ぎしかしないのは当然の結果で
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チラリと淡いライトに照らされてる寝顔を眺めてみても、カズが答えてくれるはずはなくて。
泣きそうな思いを噛み締めた瞬間、コールが切れた。
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それからベッドに寝転がってみても、なかなか眠りにつけなくて
やっとの思いで夢に潜ったとしてもそれは浅瀬。
朝6時に起きて、取り敢えずご飯でも作ろう…とかちゃかちゃしてたらご本人様が起き出した、という経緯。
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