愛から生まれた奇跡

miracle*17 ページ18

miracle*17

風磨s

それから数日後、今日は俺が訪問する番。
何故だか分からないけれど、少し緊張している自分がいた。

ナースステーションに寄り、看護師さんに面会の許可を取る。
すると、病室が変わったことと容体が悪化していて、あまり話せないことを教えてくれた。

感染症を移す可能性があるので、面会時間は少しにして欲しいとも言われた。

…ｺﾝｺﾝ

ノックをして、病室に足を入れる。
ナースステーションの近くにある病室で、特別室らしい。
…つまり、本当に具合が悪いと言うこと。

中に入ると、酸素チューブをつけながら、少し苦しそうに眠っている勝利君の姿があった。

近くにあった椅子に腰掛けていると、勝利君の瞼が開く。

勝利「…んっ」

風磨「おはよう、勝利君。」

意識が朦朧としているのか、焦点も合わず苦しそうに息をしているだけだった。
目もうるうるしていて、熱も高そう…。

ふと気づくと、ベッドの上に置いてあった俺の指を、勝利君の力のない手で握られていた。

それだけのことなのに、目から涙が止まらなくなって、動悸がひどい。

勝利「…なぃ…た、、ら……。め…ﾊｧﾊｧ……」


俺達が勝利君達のことを元気付けなきゃ行けないのに、慰められたことに、「ごめんな」と思いつつ、なんだか心が温かくなった。

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