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「衣装の力で王子様気取りデスか？そう簡単には渡せないですねェ」
「はぁ？そういう事を仰ってる貴方に彼女が護れるとでも？
っていうか、彼女は僕と最後まで添い遂げるつもりだったんですが？」
「アナタこの試合のルール分かってますよネ？」
『あの…僕他の人の所行っていいですかね？』
「「逃しませんよ？」」
『ひぇ……』
先程からこの調子である。
少しでも離れれば磁石で引き戻される。引き戻す癖に僕を置いて2人で言い合い。
もう誰でもいいから僕を攫って。この2人に勝てる人でお願いしたい。
腕組みしながら誰かいないかと見渡していれば、目と鼻の先にある電話機の所に誰かがいるのを見つけた。
僕は控えめに手を振ってみる。
相手も手を振り返してくれた。
その人は電話をかけて、注文した物を手にこちらへ向かってきた。
その人物が最初僕が狙っていた人だという事を確認した。
「あのー」
「何……あぁ、新人さんでしたか」
「僕等に何か用ですか」
「私、今ペアがいなくって。お2人のそばにいるそちらの男性に用があるのだけれど…」
「この方は今忙しいので別の方を探して下さい」
どなたかは分かりませんが今すぐ逃げて下さい。
本音を言うならこの状況を何とかして下さい。
「じゃあちょっとだけ我慢してもらわないと！」
手を大きく振りかぶるその人は、持ち物を地面に叩きつけた。
「「『え』」」
パリンッと硝子の割れる音。もくもくと煙が立ち込める。
ガス缶に伸ばしかけていた手は一瞬の隙を見逃さずに女性の腕を掴んだ。
『こっちへ来て！！』
華奢な体をいざなってその場から駆け出す。
煙が時間を稼いでくれている間にもっと遠くへ。
「待って」
『立ち止まらないで』
「違うの。これに乗って飛んで逃げて。私もすぐに追いつくから」
ぱっと離された手は地面に玩具のような物を広げた。
「逃げないでと仰ったはずですが？」
「言う事が聞けないのなら檻に閉じ込めてもいいんですヨ？」
「これに足乗せて飛んで！早く！」
オーラを纏った塊が投げられる直前、美しい方は僕を踏み台に押した。
カタンッという軽快な音と共に僕の体は宙に躍った。
『凄い……マップが一望出来、え、なに、落ちてrぎゃあああああ！！』
感動も一瞬の時。
味わったことのある、あの臓器が浮くような感覚に吐き気がした。
追手の事なんかもう頭にない。
僕の体は元いた学校に突っ込んだ。
「ハスター様！空から女の子が！！」
「何故…」
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白狐-bilyakko-(プロフ) - リパ推しの雪さん» ありがとうございます！(*´`)更新頑張ります！！ (2021年3月1日 9時) (
レス) id: 6701540cff (このIDを非表示/違反報告)
リパ推しの雪 - すごい素敵な作品ですね！更新頑張ってください！応援してます！ (2021年3月1日 5時) (レス) id: e92c1b8c9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白狐ーbilyakkoー | 作成日時：2021年2月27日 1時
