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イソップside
「本当に連れてっちゃっていいのー？」
「ええ。どうぞ」
吊られたまま必死に僕に向かって手を伸ばす彼女。
僕はその目を棺の中の彼女に向けた。
「嗚呼、とても美しいですね」
誰も周りにいないのは確認済みだ。
誰が何処で彼女と組もうがここに必ず帰ってくる。
「いつも以上に時間をかけたんです。だからといって他の方のを疎かにしているわけじゃないですよ」
僕は棺に近づいて彼女の顎をクイッと上にあげた。
ボタンを1個外して首が露わになるようにする。
「人間の急所って喉も含まれるらしいんですね。弱みらしいですよ？」
首筋から喉にかけてを優しくするりと撫でる。
ふと、指に凹凸感を感じてその部位をもう一度なぞってみた。
「噛み跡……？？一体誰が？」
彼女に対して執着心を抱く誰か。
あの人しか思いつかない。この試合に一緒に出てるからあとで遠回しに聞いてみよう。
まぁそんなことはどうだっていい。
僕は彼女の喉を少し吸ってから噛み付いた。
「わざと見える位置につけてしまいました。貴女なら分かってくれますよね？」
ドロリと溶ける棺と人形。
随分と抵抗したんですね。
そんなところもまた愛らしいです。
『なんってことしてくれるんですか』
「……声、出るようになって良かったですね」
『その件では感謝致します』
「誤解を招いてしまってすみません」
『反省してますか？』
「ええまぁ」
そんなもの皆無です。
「僕の願いを叶えてくださりありがとうございました」
『はぁ。その多少苛つくような話し方は衣装のせいだと信じたいですね』
「そんな自分のこと優先させるようなお方からは離れた方がいいデスヨ？」
どこからともなく現れた刺客に体を突き飛ばされる。
「あんな人よりワタシを選んでくださいな」
「モグラっ……！」
「アナタに盗られてワタシすごーく怒ってるんデス。ハムレット、許可を頂い…やっぱいらないですよねそんなモノ」
「は？？」
「カノジョはワタシのモノですから。商品に傷付けられると困るんですよネ」
『誰が商品だ』
どうやら分からせる必要があるみたいですね。
置いてけぼりにしてしまってすみません。
すぐに片付けますので少々お待ちくださいね？
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白狐-bilyakko-(プロフ) - リパ推しの雪さん» ありがとうございます！(*´`)更新頑張ります！！ (2021年3月1日 9時) (
レス) id: 6701540cff (このIDを非表示/違反報告)
リパ推しの雪 - すごい素敵な作品ですね！更新頑張ってください！応援してます！ (2021年3月1日 5時) (レス) id: e92c1b8c9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白狐ーbilyakkoー | 作成日時：2021年2月27日 1時
