ノートン・キャンベル 誕生日2021【番外編】 ページ19
『おはようございます、キャンベル様。今日一日貴方のそばに仕えさせて頂きます』
「ごめん。一旦状況説明をお願いできる？」
ヴィオレッタさんに仕立てて頂いた裾の長いメイド服を着て、イソップ監修の茶色のロングウイッグに傷を隠す完璧なメイク。
スカートが床に付かないように端を摘み、片膝を少し曲げてお辞儀をする。
その時に目を伏せて。
何故僕がこのようなポーズに服装なのかは遡ること昨日。
「明日はノートンの誕生日なんだ。ということで君にこの大役を任せたい」
『どうやったらその状況でメイドをやらなきゃいけないんでしょうか』
「もう衣装はあるの。朝、早めに起きたら結魂者の所に行って。着付けが難しいから何人か手伝ってくれるわ」
『何か企んでますよね？』
「1日耐えてくれるだけでいいのよ。ゲーム内で着ないでいいと思うだけ有難いと思って」
『1歩間違えてたら正式な衣装になってたんですか！？』
翌朝5時に目を覚まし、言われた通りの場所に向かって着付けを行った。
女性陣に囲まれてかかった時間は僅か1時間。
彼の部屋に行くまでの2時間は作法や言葉遣いを徹底的に叩き込まれた。
ここまで来たなら全部やってやろうという闘志に燃え上がり、冷静な頭で今に至る。
『顔は洗われましたか？』
「うん」
『では食堂に参りましょう』
「あのさ」
『お歩きになられませんか？では部屋にお持ちしましょうか』
「そうじゃなくて」
はっきりしてくれ。
こうなったら強行手段その1！
『少し失礼します』
姫抱きにしてそのまま運ぶ！
「待って下ろして！」
『歩くという行為が面倒だと思っているようでしたので』
「そんなこと思ってないんだけど？っていうかよく持てるね？明らか僕の方が体格もいいし重いのに」
『着きますよ』
「え、無視？」
足でドアを蹴って開ける。
行儀は悪いが仕方ない。手が塞がっているのだから。
真っ先に目を引くのは僕じゃないことを祈ろうか。
『左手のお席が空いております。……お食事をお持ちしますね』
「それぐらい自分で出来るから。君も一緒に食べるでしょ」
『下賤の者を気遣うなんて、ご主人様はたいへん余裕がおありのようですね。
本日のご予定は食事後にお伝えいたしますので、どうぞごゆっくり』
僕を見ていた人の何人かが吹き出す。
笑うなら盛大に笑え。
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白狐-bilyakko-(プロフ) - リパ推しの雪さん» ありがとうございます！(*´`)更新頑張ります！！ (2021年3月1日 9時) (
レス) id: 6701540cff (このIDを非表示/違反報告)
リパ推しの雪 - すごい素敵な作品ですね！更新頑張ってください！応援してます！ (2021年3月1日 5時) (レス) id: e92c1b8c9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白狐ーbilyakkoー | 作成日時：2021年2月27日 1時
