182 ページ10
「寒さで頭がやられたのね！メディック、シナモンの入った小瓶を取って頂戴！」
『はい、ガラテアさん』
「貴方もっと言い方を変えたらどうなんですか？どストレートに言うだけでは相手方には何も伝わりませんよ」
「彼女にこの場で証明させろってこと？今？」
「貴方がそういう雰囲気にさせたんですから最後まで責任とって下さい」
うるっさ……。
温かい紅茶も喧騒の場なら何も美味しいとは言えない。
「あんさん、ジョゼフはんが言ってることは本当なん？」
「あの人達の言うことよ？素敵な殿方が女性であるわけがないじゃない」
「そうよなぁ……」
普段からあの2人どれだけ信用されてないんだ？
そうだ謝必安さんは！？
「無咎！止まって下さい！」
「サバイバーから聞いた情報を確かめに来ただけだ！衛生兵はどこだ！」
「無咎〜！」
おぅふ……。
いつの間にか席を外していた謝必安さんが中庭の通路で范無咎さんらしき人と話している。
いや正確には後者の腰にしがみつきながらも引きずられている彼。
ってか2人で1つじゃないんですね。
「やぁ范無咎。君もお茶会に参加したかった？」
「いやいい。そんなことより衛生兵はどこだ」
「君の横にいるでしょ」
どうせ影薄いですよぅだ。
「あの探鉱者から聞いた。女なのは本当か？」
『どういったルートでお聞きになったのでしょうか？』
「試合での忘れ物を届けに行った時にアイツの口から直接聞いた」
「言わせたんですか？」
「馬鹿か。でもアイツはこっちがとっくのとうに知ってると思って話を進めていた。
訳が分からなくなってこっちに確認しにきたところだ」
嘘だと言って頂戴？というような目をマリーさんから向けられる。
『彼にはキツく言っておきましょう。僕から何らかの形で正式にお伝えするはずだったんですが……完全にタイミングを逃してしまいましたね』
「じゃあ」
『改めまして自己紹介をさせていただきます。私、衛生兵のラル・サベダーと申します。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします』
グラスをテーブルに置いて席から立ち上がる。
最後に一礼をして相手に笑いかければ終了だ。
「あの、リッパーさん。私達今何聞かされたんでしょうか」
「貴方彼女にもう一度自己紹介させる気ですか？」
「そうではなくて、あの、名前です」
「あぁ、彼女あの傭兵君の妹さんなんですよ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 122人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「第五人格」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
白狐-bilyakko-(プロフ) - リパ推しの雪さん» ありがとうございます！(*´`)更新頑張ります！！ (2021年3月1日 9時) (
レス) id: 6701540cff (このIDを非表示/違反報告)
リパ推しの雪 - すごい素敵な作品ですね！更新頑張ってください！応援してます！ (2021年3月1日 5時) (レス) id: e92c1b8c9b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白狐ーbilyakkoー | 作成日時：2021年2月27日 1時
