あの傭兵に妹がいたようで【第五人格】 (ページ8)

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『すみません遅れました！』

「大丈夫だよ！君が噂の新サバイバー君だよね！僕はマイク・モートン！マイクって気軽に呼んでね！」

「おはよう、メディックさん。今日はよろしくね」

朝から1発目の試合、僕にとっては初試合。
メンバーは自分とイライさんとモートンさん…と、あともう1人。

『はい…とても緊張してます……あれ？あともう1人の方は？』

「もうすぐ来ると思うなぁ！あ、ほら！外で足音聞こえて来たでしょ？」

マイクさんの言う通り、外からドタドタドタッと音がしてドアが大きく開け放たれた。

「遅いよナワーブ。今まで何してたんだい？」

「寝坊！さっさと行くぞ！」

「何見てんだよ」

『いいえ、何も』

素っ気無い返事をして準備完了のチェックを入れる。

気がつくと僕は何やら分からない機械のある室内にて突っ立っていた。

その機械というのが暗号機なのだろう。
そっと近づいて表面にあるキーボードを叩く。

ピーピピピー…ピッピーピピピー…
と規則的なのか不規則的なのか分からない音と共に暗号機が仕上がって行く。

「「解読に集中して！」」

と誰かが言う。

僕も暗号機が仕上がる事を知らせる為に

『先に行くよ！』

と言った。

にしても全然ハンターが来ない。
やる気無いので今日はやりませ～ん…とかあるのか？
もう暗号機は3台も仕上がっている。

室内で立ち止まって考えていたら、急に体に強い衝撃が走った。

『は…！？何…！？』

「耳鳴りがすると思ったら何立ち止まってるんですか…まぁ格好の獲物という事で大人しくしてて下さいね」

ここにいたら殺られる。
って本能が僕を叩き起こして走れって言っている。

『あの窓を使えば逃げ……は、え、乗り越えらんないッ…』

「貴方の特質では？確か負傷すると障害物を乗り越えられなくなるというような…」

ハンターが僕にじりじりと近づきながら言う。
あまり嬉しくない効果だな。

『そうかよ…じゃあこれでも食らってな！』

マスクを押し上げ、腰についた缶を外し勢いよくハンターに吹き付ける。

ステージ内にプシューーーッという音が響き渡る。

「なんなんですかっ……ゲホッゲホッ！…前が、見えないッ…」

ハンターは案の定咳き込んで動きを止める。
10秒もあれば遠くまで逃げれる。

僕はハンターの横をすり抜けて外へ出た。
空気が美味しいな。

ついこの間まで軍にいた精鋭を舐めない方が良いですよ、ハンターさん？