あの傭兵に妹がいたようで【第五人格】 (ページ45)

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トレイシーside

厨房のシンクの中に食器を積み重ねて水に浸ける。
そのあと，カウンターに椅子を持ってきてエマの隣に座った。

「まだ喧嘩してるの？もう2時間経ってるよ…」

「ほんとに醜い争いなの～。トレイシーが帰ってきたのも気付いてないなの」

主に争っているのは、女性陣からはウィラとデミ。
男性陣からはカヴィンとかウィルとか。

「トレイシーは何を持ってるなの？」

『メディックから預かったノートだよ』

「何が書いてあるか見たいなの！」

「ん…？Pink hydrangea…？って何？」

「ピンク色の紫陽花の事なの！花言葉は【元気な女性】という意味なの！」

何故聞いたかというと
見開きのところに
〔朝から素敵な笑顔が見れました。Pink hydrangea Medic〕

と書いてあったから。

「朝から楽しそうだね2人共…あれ？それ…」

「え、ええええと！メディックがイライさんの事呼んでた！」

「わ、分かった…」

「それにしてもメディックさんが花に詳しいなんて驚いたなのー」

「珍しい事なのかい？」

「紫陽花は色によって花言葉が違うの。一般的な色はネガティブな意味を持っているなの」

素敵な笑顔だなんて照れちゃうなぁ…

あ、そういえば、皆に言わなきゃいけないことがあったんだ。
僕は声を張り上げて呼びかけた。

「皆聞いて！僕とメディックからお知らせ！！」

「何何！？！？」

「ウィルあんた近いわ！！」

「あのね、さっき医務室に行ったの！それで女子会に参加してくれる事になったんだ！」

女子会という言葉で女性陣が押し寄せてきた。

「トレイシーあなたやるじゃない！見返したわ！」

「じゃあ女性ハンターも招こう！」

「私の部屋に集合ね」

「おいおい待て待て。アイツは男だろ？お前が考えた戯言は良いんだよ」

「喜んでって言ってくれたよ！話つけても良いけど彼は今イライさんと話し込んでるよ」

「何でだ？」

「このノートについてね。また僕が話すけど良いかな？」

頭の上にノートを掲げて皆に見えるようにする。

人に分かりやすく説明するのって少し苦手だなぁ。

機械の事だったら大丈夫なんだけど。

それ以外はなんだかうまく行かないんだ。