呼び出しバースデー…Keito ページ23
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11th.Sep.2016
『今なにしてるー？』
太陽がきっちり沈んで、外が暗闇に包まれた夏の終わりの日。
夜遅くまで仕事だと言っていたAは、もちろんまだ家には帰ってきていない。
なのに、俺の先輩であり、彼女の同僚でもある大倉くんは、のんびりとした脈絡のないメッセージを俺のもとへと送ってきた。
『家ですよ、どうしました？』
大倉『暇やったらヤスんち来てや。
あいつ、今日誕生日やねん』
…あぁ、そういえば。
愛しの彼女も、『もうすぐ章ちゃんの誕生日やねん』と、プレゼント選びに一人ワクワクしていた。
『行きます！なんかお酒買っていきますね』
そんなお誘い、断れる訳がないじゃないか。
今日は雑誌の撮影があったから、決して暇ではなかったんだけれど、Aがまだ帰ってこないなら家に居てもしょうがない。
大倉『ほな、住所送るわ。
マンションの前着いたら連絡して』
ちょっと奮発して、安田くんの好きなシャンパンでも買っていこう。
大倉くんお気に入りのチーズもね。
｢…お邪魔、しまぁす｣
玄関の鍵は開けてくれていたからか、誰も出迎えてくれないドアを恐る恐る自分で開ける。
中から大倉くんのあの独特な笑い声が聞こえてきて、何度も部屋番号を確認した不安は一気に取り払われた。
がちゃり、リビングに続く扉を引けば、『おぉー！！』と二人揃って満面の笑み。
｢あの、安田くん誕生日おめでとうございます。
これ、大したものじゃないですけど…｣
24時間営業のリカーショップでいちばん高級なシャンパンを、箱ごと安田くんに手渡す。
そのつやつやなパッケージと金色の箔押しロゴに、彼は『え、うわ、マジか！めっちゃ嬉しい！！』と声を弾ませて目を丸くした。
安田｢これ、みんなで飲もやー｣
大倉｢ほな酔っ払う前に開けな。
酔ってもうたら味分からんようになんで(笑)｣
根っからの酒豪な二人は、大声で笑いながら『せやんなぁー』と手元のグラスに入った焼酎を喉へと流し込む。
…初っ端からロックって、ちょっと頭おかしい。
(もちろん、怒られるから言わない。)
安田くんが『グラス持ってくるわぁ』とフルートグラスを探しにキッチンへと消えたとき、ピンポーン、と軽快な音でチャイムが鳴り響いた。
大倉｢お、来た来た｣
｢出前ですか？｣
大倉｢ちゃうちゃう(笑)、ミツ。
キスマイの北山やで｣
…え、この部屋にまだ人が入るの？！
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作者名：布由 | 作成日時：2018年1月18日 10時
