ビジューのような・・瞳。(ybxym)ビジューシリーズ(４)

＝すき・１０＝ ページ10

「ねぇ、風磨＿＿＿。」


ポツリと呟く。ポロポロ涙を零して

去って行った風磨を思いながら

呟くの。

「ね、都合のいいお願いだけど・・
　ねぇ、風磨・・覚えていたらだめ？
　だめかな・・。忘れた方がいいのかな
　ねぇ・・風磨＿＿＿。」




おれは強く目をごしごしと擦り

涙を拭う。

「おれが泣くなんて・・おかしな話しだ・・。」

もう一度、ボソリと呟いて

夕陽を見つめた。




眩しい夕陽に目を細め、ギュッと拳を握った。


「ありがとう＿＿＿＿風磨。」



背中を押してくれて、ありがとう。


おれ、この気持ちに向き合って

頑張ってみる。

宏太に当たって砕けてみる＿＿＿


おれ、頑張るよ。



＿＿＿＿＿＿＿＿＿



次の日の朝、家の近くのいつもの曲がり角で

風磨と健人が待っていた。



風磨がいつものようにふざけて

話し掛けてくれた。


前の日の芸人さんのネタ番組の話しをして

盛り上がった＿＿＿。




気を遣ってくれる・・風磨。


ありがとう、ありがと・・風磨。

本当に、ありがとう＿＿＿＿＿。



＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿




夜。さて、そろそろ寝よーっとしたら・・


侑李が「こんこん。入るよ〜。」って＿＿＿

おれは笑いながら

「そー言ってる前に
　も〜入ってるじゃん、ゆーり。」


「まぁ〜いいじゃんさぁ〜。」

そう言いながら、おれがゴロゴロしてたベッドに近付く

「ねぇ、涼。それにしても・・
　風磨っていいやつーだねー。」



「ん。そうなんだ・・。
　風磨がね。・・風磨が背中押してくれた。」


「くぅぅ〜〜〜〜っっ。ホントにいいやつ、ふーまっっ。
　今日、１日見てたけどさ・・
　僕、泣けちゃったよ。もぅさーっ。
　なんだかお世話焼きおばさんになっちゃうなぁ。」


「お世話焼き・・？？」


「そーうっ。
　風磨に、いい子紹介したぃぃーって。
　とっておきの子、紹介しようかな、僕っ。」


「へぇ？！・・なにそれー。」


「だからさ〜。失恋の痛手には
　恋。＿＿＿恋だよ、恋。」


「こぃ〜？」


「そ〜〜。むふふー。」


「あ。侑李、なんか企んでるっ？」


「企んでるって人聞きの悪いー。
　ちがうよ〜。しあわせのおすそ分け〜。」


「おすそ分けってー・・。」


「ふふふ。＿＿それで、涼。」


「なーに。」



侑李はポスンっとベッドに腰掛け

「それでー、涼はどうしたの？
　背中押してもらって・・ね？」

「あ。・・んっと＿＿＿。」

「んと〜？何？？」

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