ビジューの中は‥キラキラ。(ytxcn)ビジューシリーズ(３)

＝すき？・４＝ ページ48

「風磨、おれ・・分かんないよ。」


「だから、俺は＿＿＿。
　お前の事・・涼介の事を恋愛対象として好きだって
　言ってるんだっ。俺はお前と、付き合いたいんだ。
　お前を抱き締めて、キスして＿＿＿＿＿」

そう言った風磨の顔が近付いて

「やっ＿＿＿＿。」

おれは、ビックリして風磨の胸元を

ドンッと強く押した＿＿＿＿。



「＿＿＿＿＿っっ。」

風磨の目が・・

俺を真剣な目で見つめていた目が

切なげに、ゆらゆら揺らいでいる。



「なぁ、涼介。お前もしかして・・
　“こうた”の事好きなのか？なぁっ？！」



「なっ＿＿＿。」



「なぁ、そうなんじゃねぇーの？
　侑李と一緒で、兄ちゃんの友達・・
　好きになったんじゃねーのっ？！」



「ち、ちがっ＿＿。ちが・う・・・。」




・・すき？・・好きって？

好きって・・なに、どんな気持ち？



「ふ、ふう・ま・・・。何言って＿＿＿。」





風磨が床に置いていた自分の鞄を

舌打ちをしながら拾い上げ

自嘲気味に笑って

「ククッ＿＿＿。
　めちゃめちゃ、動揺してんじゃねぇか＿＿。
　馬鹿くせぇーっ。・・俺、帰んわ。」


風磨がドアをガンッと足で蹴ってから

教室を後にした＿＿＿。





「ふぅ・・ま・・？」




おれは夕陽に照らされた教室で一人・・

訳も分からず、泣いている。



勝手に涙が、ポタポタ落ちた。

ポタポタ、ポタポタ零れ落ちていく。



「なに・・すき・・？」



ポタポタ落ちるおれの涙に

夕陽が入り込んで・・切なげに

キラキラと煌めいた。




＿＿＿＿すき。・・好きって・・なに？＿＿＿＿＿





＝おわり＝

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