・ ページ22
藤原side
大橋)じゃあ行ってくるなー！
大橋が手を振りながらレーンに並びに行く。
次は三年女子の借り物競争。
大橋の出番。
「おい藤原、借りられる準備しとけよ〜？」
クラスのやつらが冷やかしてくる。
鬱陶しい…笑
藤原)あのなぁ、俺は借りられる気無いで？
「え、なんで？」
藤原)みんなも二回もおんなじペアが走ってんの見たくないやろ。
「いや、見たいけど。」
「イチャイチャするカップルはなんぼあってもいいですからね〜」
藤原)はぁ？!イチャイチャなんかしたことないわ！
「え…？本気で言ってる…？」
藤原)おん。
「嘘やん、、。こいつやっばぁ…」
……なんか引かれてんねんけど。
まぁ、もし大橋が俺を借りに来たら別に断らんし、走るけどさ。
やっぱり、同じペアが走ってるのって面白味ないやんな。
だから、大橋。
頼むから俺しか当てはまらんようなお題を引いてくれるな。
……でも、ちょっとだけ俺を借りてほしいと思う気持ちもあるんよ。
さっき、大子と正門・恭平とみっちーがお姫様抱っこで走ってた時、大橋、羨ましそうな顔してたから。
いや、今の嘘。
前言撤回。
普通に考えて恥ずすぎる。
てか、借りられる側がお姫様抱っこするとかおかしすぎるし。
そんなことを考えてると、さっき冷やかしてきたやつらがまた騒ぎ出した。
「え、大橋こっち向かってきてない？」
「おい藤原！大橋来てんで！」
ふと顔を上げると、確かに大橋がこっちに走ってきていた。
しかも、大橋の目は、俺を捉えてる。
大橋)丈くん、一緒に来て！
藤原)お題は？
大橋)……【かっこいいと思う人】
藤原)…っ、そのお題やったら他の人でもいいんちゃうん？
大橋)…私がかっこいいと思うのは昔っから丈くんだけやもん。
藤原)……
顔が熱くなっていくのが分かる。
ほんまに、こいつは包み隠さずに気持ちを全部伝えてくるから困る。
…かっこいいと思ってくれてんのやったら、
かっこよくおらんとあかんよな。
藤原)大橋、そこ座れ。
大橋)へ？なんで？
藤原)早く。
困惑しながらも大橋が地べたに座る。
この姿勢からやんのが一番慣れてんのよな。
膝の下に手を入れ、ゆっくり大橋を持ち上げる。
藤原)走んで。
大橋)……うん！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 295人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：nimi x他1人 | 作成日時：2022年4月7日 20時
