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西畑side
とうとうこの時が来てしまった…
司会を他の子に託して、選手待機場所へ行く。
正門)楽しみやなっ！
西畑)どこがなん？！全く楽しみやないけど！
正門)お題なんやろなー
西畑)頼むから私以外連れてってな。
正門)それはお題次第やから！笑
大子とそんな会話をしてたら、俺のレースの番が来た。
正門)行ってくるわ。
西畑)頑張ってなー
レーンに並んで大子の方を見ると、大子は胸の前で手くんで何か祈ってた。
そんな俺に連れてかれるのいやなん？笑
そんな大子の願いむなしく、俺の引いたお題は、
【彼女】やった。
めちゃシンプル。
なんかちょっと申し訳なくなりながら大子の元へ行ってお題の紙を見せる。
正門)大子、行くぞ。
西畑)なんでこんなん引いてくるん！
正門)しゃあないやん。このお題で大子以外連れていかれへんし。
西畑)……
大子はほんとに嫌らしく、なかなか動こうとしてくれへん。
グラウンドを見渡すと、隣のクラスのやつが一人の女の子の手を引いて走り出してた。
やばい、負けてまう。
こうなったら、、
さっきの恭平を思い出して、大子を一気に抱きかかえる。
西畑)は？！なにしてんのあんた！
正門)大子が動こうとせんからやん。
西畑)降ろして！
正門)…ちゃんとつかまっといてな。
喚く大子を無視してお姫様抱っこしながら俺の姫をゴールまで運ぶ。
隣のクラスのやつの背中が見える。
そいつは女の子の手を引いて走ってるから普段より遅い。
俺も大子持ってるけど、大子が軽すぎていつものスピードとあんま変わらん。
ゴールテープの手前でなんとか抜いて一位でゴールテープを切る。
「二年男子の部、一位は正門・西畑ペアです！」
さっき司会を託した委員会の子がマイクを持ってこっちに来る。
西畑)はよ降ろせ！
正門)はいはい。
「この二人は委員長、副委員長でもあるわけですが、お題はなんだったんでしょうか！」
正門)【彼女】です！
西畑)……
「お二人がお付き合いをされているということは全校周知の事実でしたが、この二人三脚でお姫様抱っこを披露するというイチャイチャっぷりを見せつけてくれましたね。」
正門)俺ら、ラブラブなんでね笑
西畑)正門！
正門)ごめんて笑
大子はぷりぷりしてるけど、心なしか嬉しそう。
正門)大子、ごめんな？
西畑)……しゃあないから、許す。
…かわい。
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作者名：nimi x他1人 | 作成日時：2022年4月7日 20時
