27 重い空気 ページ27
私は指定された部屋の扉の前に立っている。
目を閉じて一度大きく息を吸った。
そして、ドアの取っ手に手を開け、勢いよく前に押した。
部屋の中に彼らの姿はまだない。
さっき、前のスケジュールが押しているとの連絡があった。BIGBANGメンバーに会うのは、約1ヶ月ぶりだ。
会うことがなく、テレビでばかり彼らの姿を見ていたせいか、私の中で彼らが少し遠い存在となっていた。
ｽﾀｯﾌ「BIGBANGさん入られまーす」
どこからともなく聞こえたスタッフさんの声にはっとし、背筋を伸ばして、深く息を吐いて彼らの到着を待った。
ｶﾞﾁｬ
ｽﾝﾘ「お待たせしましたーー！！………っっ？！？！」
ﾖﾝﾍﾞ「スンリ入口で止まるな。早く入って……？！？！？！」
ﾀﾌﾟ/ﾃｿﾝ「「？！？！？！」」
扉を入ってきた全員が目をパチパチさせて、少し混乱しているように見える。
最後に入ってきたジヨンまでもが、私とジェチョンオッパの顔を交互に見て口をぽかんと開けている。
あぁ。リンコちゃんじゃないもんね。
それにジェチョンオッパは初めてだし。
だから驚いてるんだよね汗
ジェチョンオッパはジヨンに名刺を渡し、軽く自己紹介をした。その間もBIGBANGメンバーみんなオッパを凝視していて、少し面白かった。
ｽﾝﾘ「あの……リンコちゃんは？」
「リンコちゃんは今日お休みなんです。熱で…汗 今日皆さんに会えるのすごく楽しみにしてたし、滅多に休んだりする子じゃないからよっぽどだと思います。」
ｽﾝﾘ「そうなんだ…」
明らかに落ち込んだスンリさん。
リンコちゃん好きだなぁ…そんな様子が可愛くて少し笑ってしまう。
取材が始まると部屋は静かになった。
いつもなら賑やかでワイワイして冗談も言い合いながら、談笑する感じなのに……
今日は何故か初めて会った時みたいに、距離を感じた。
もともと記者と歌手だから、距離を感じて当たり前なんだけど…
そんな空気を察したジェチョンオッパは口を開いた。
ｼﾞｪﾁｮﾝ「すみません。最近仕事が忙しくて疲れてるみたいなんで、少し時間をいただけませんか？申し訳ありません。…………A、一旦外の空気吸っておいで。」
深く頭を下げたジェチョンオッパの姿に、私はひどく反省した。こんな空気を作ったのは私のせいで、リンコちゃんがいればこうはならなかった。
「…オッパ……すみません…」
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作者名：biglove12 | 作成日時：2017年3月28日 20時
